日経新聞を読まない君たちへ
「日経新聞くらい読めよ」社会人なら誰もが一度は言われたセリフです。そりゃ、客先で経済ニュースを語れるとかっこいいですもんね。でも、「だって、みんな読んでないしな…」と、何となくLINEニュースなどで済ませている人も多いのではないでしょうか。
そこで、最低限に知っておいて欲しい経済ニュースを、経済誌の現役記者・編集者がこれ以上ないくらいにわかりやすく解説します。第7回目は、有効求人倍率と失業率について取り上げます。労働市場がいかに不動産と関連しているか、知っておきましょう。(リビンマガジンBiz編集部)
春の引越しシーズンも終わり、皆さん、一息ついた頃でしょうか。
そんな不動産業界の皆さんとは裏腹に、株式市場は大荒れです。
この際、せっかくなので覚えてください。株式市場には、「Sell in May(株は5月に売れ)」というアメリカの有名な相場格言があります。これ多分、世界で一番有名な相場格言です。
アメリカでは6月から秋にかけて株価が下がりやすいので、その前にいったん売っとけというのが本来の意味です。この言葉が真理を言い当てているからか、あるいは市場関係者がこの言葉にとらわれすぎているせいなのか、よくわかりませんが、本当に5月は株価が下がりやすい傾向があります。
そして今年も、トランプ大統領の通商政策のおかげで見事に大幅下落しました。5月おそるべし。
意味がわからない人も、「今年もセルインメイだったね」とか言っておけば、株式投資を知ってる風を装えます。
さて、今回のテーマは失業率と有効求人倍率です。なぜ今、このお題を振られたのか、いまいちわからないのですが、日経新聞すら読まない人は、とりあえず知っておいた方がいいでしょう。
2つとも、景気の基本的なモノサシとして、よく新聞やテレビに出てくるキーワードです。
まずは、言葉の意味から見てみましょう。
失業率(完全失業率)は、15歳以上で働く意欲のある人(これを労働力人口と言います)のうち、仕事がなくて休職中の人(これを完全失業者と言います)の比率です。会社やめちゃって、今、ハロワに通ってる、って人が完全失業者です。総務省が毎月発表しています。
2019年3月の失業率は2.5%でした。ちなみに、3月の完全失業者数は174万人で、18年3月よりも1万人増加。失業率も、18年3月は2.4%だったので、1年前に比べて0.1ポイント悪化しました。でもまあ、2016年の失業率が3.1%だったことを考えれば、今の水準はだいぶ低めです。