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前回の記事(3月になるとよく聞く決算って何か知ってる?)で紹介した金融庁が運営するEDINET(エディネット)で、どこかの会社の決算短信を見てみてください。金融とか、商社ではなく、製造業がいいです。わかりやすいから。
ポイントだけ説明します。決算でまず見るのは
「売上高」・・・1年間でどれだけ売ったか
「営業利益」・・・売上高から原価(仕入れたお金)や人件費を差っ引いた本業の儲け。
数字がマイナスの場合は「営業損失」
「経常利益」・・・本業以外の利益を足して、同じく損失を引いた利益。
マイナスだったら「経常損失」
「当期純利益」・・・税金の支払いなどもろもろの支払いを引いた最終利益、つまり残ったお金
この4つです。決算短信の一番上に書いてあります。たいてい100万円単位ですから、気をつけてね。
投資家や記者が最初に注目するのは、前の期よりも売上げや利益が増えているかどうか。たいてい、「●%」とか「△●%」と書いてあるので、増えたか減ったかはすぐにわかります。もう一つは、会社が事前に発表していた業績予想の数字よりも良いか・悪いか。良い場合はポジティブ・サプライズで株価が上がる、悪ければ株式は売られて下がる。このあたりは単純です。
で、この売上げやら利益やらをもう少し細かく分解したのが、「損益計算書(PL、ピーエル)」です。決算短信の後ろのページに出てきます。要は、売上高からいろいろ引いていくと利益になるわけだけど、その過程を説明しているものです。
次に、会社が借金だらけか、どうやって、どれくらいおカネを集めたのかをまとめたのが「貸借対照表(BS、ビーエス)」。不動産会社、開発をするデベロッパーなどは借金が重くなりがちですが、あんまり多いと急な景気の変化に耐えられないかもしれないよね。その当たりのリスクをざっくりつかむのがBSです。
実際のおカネの流れをまとめた「キャッシュフロー計算書(CF、シーエフ)」もあります。どれだけ現金を稼いだか、投資によっておカネが増減したか、借金の返済などにどれだけ使ったのか、などをまとめています。
PL、BS、CFをまとめて「財務三表」と言います。これを理解すると、会社のことがいろいろわかって楽しいですが、難しい話はまたの機会にします。
筆者:大学院卒業後、新聞社を経て経済誌で記者・編集者を務める。最新の経済ニュースを幅広く、取材している。