不動産業界の中で賃貸管理業は不動産所有者(オーナー)と利用者(賃借人・入居者)の双方に、関連する重要な業務です。この項では多岐にわたる不動産管理業の業務内容や収益構造を解説します。(リビンマガジンBiz編集部)


(画像=写真AC)

■賃貸管理業は「管理料」が売上

賃貸管理業には、大きく分けて2種類のお客様がいます。不動産を貸したい所有者と、不動産を使いたい利用者です。賃貸管理業はオフィスからテナントビル、分譲マンションまで多種になりますが、ここでは賃貸住宅の管理業務に絞って解説します。

賃貸管理業は、賃貸マンション・アパートを所有するオーナーから委託を受けて業務が始まります。そして、オーナーから支払われる管理料が売上になります。オーナーは最も重要なお客様といえます。

管理料は一般的には家賃の5%が相場のようです。相場という、あいまいな言い方をするのは賃貸管理業には仲介業のような法的な規制がないため、料金は自由に決めて良いからです。例えば、どうしても管理したい良い立地の賃貸物件であれば、5%から下げて管理を受注することもあるそうです。

管理を受託することがすべての業務のスタートになるので、管理受託のための営業が最も重要な仕事となります。

■電球交換から、家賃回収、入居者募集など業務は多岐にわたる

賃貸管理業が担う業務は非常に多岐にわたります。下記にあげてみましょう。

入居にかかわる業務
①入居者募集
②入居審査
③入居に関する手続き、賃貸借契約業務、入居一時金受け取り

入居中の業務
④家賃の回収、督促
⑤入居中のトラブル対応(主にかぎ紛失、水道漏洩、ガラス割れなどの居住に関すること)

退去の業務
⑥退去の受付
⑦退去時の立会い
⑧原状回復工事の発注

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簡単に振り返っても、これだけの業務があります。原則として①~⑧の業務それぞれにオーナーへの報告が必要です。その際は報告書(レポート)を作成することが多く、業務の煩雑さがご理解できると思います。

■その他にもたくさんの業務がある

管理会社が担う業務はほかにもあります。

建物の保守、改修も主な業務です。屋根の防水工事や、外壁工事などもオーナーと話し合い、工事計画を立てたり、施工会社へ発注したりします。大規模な工事は施工費も高いため、調整に手間がかかります。

また入居者募集のために、古くなってしまった部屋のリノベーションを提案したり、新しい住宅設備の取り換えを提案したりもします。入居につながる提案をするために、常に最新のトレンドを把握しなければ務まりません。


(画像=ぱくたそ)

あまりに業務内容が多岐にわたるため、最近では、それぞれの業務ごとに外部発注することもあります。

それでも賃貸管理業に進出する企業が多いのは、賃貸管理業がストック型のビジネスだからです。一定数の管理物件があれば、安定的な経営が可能になります。毎月、ある程度の売り上げ予測ができる管理業は、売り上げの増減が激しい不動産業界にあって、一番手堅い業種であるともいえます。

 
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