良質な中古住宅の流通や若者の住宅費負担の軽減を目的とする「住宅ストック循環支援事業」は中古住宅の購入者のみならず、持ち家の売却を考える人にとっても重要な制度です。
概要は『古住宅市場は拡大するか?「住宅ストック循環支援事業」について①』でご紹介した通りですが、第2回目の今回は、詳細条件についてご紹介します。
まず、「住宅ストック循環支援事業」には3つの補助金が存在します。それぞれの要件や補助金の対象となる工事が異なるため、順番にご紹介します。
【1:住宅のエコリフォーム】
<要件>
・自らが居住する住宅について、エコリフォームを実施すること
(中古住宅購入後のリフォームも可)
・リフォーム後の住宅が耐震性を有すること
※年齢要件はありません
<補助事業者>
・リフォーム事業者
<補助対象>
・開口部や外壁、屋根、天井、床などの断熱改修
・太陽熱利用システム、節水型トイレ、高断熱浴槽、高効率給湯機、節湯水栓などの設備エコ
<補助額>
・対象工事に応じて定められている
<限度額>
原則30万円/戸だが、 耐震改修を行う場合は45万円/戸
【2:良質な既存住宅の購入】
<要件>
・40歳未満の者が中古住宅を購入すること。
・売買の際に「インスペクションを実施」し、かつ「既存住宅瑕疵担保責任保険」に加入すること
<補助事業者>
・宅建業者(買取再販等)、インスペクション事業者
<補助対象>
・インスペクション、エコリフォーム(エコリフォームの定義は1と同じ)
<補助額>
・インスペクションについては5万円/戸、エコリフォームについては対象工事に応じて定められている
<限度額>
・インスペクションとエコリフォームの合計額は最大50万円/戸、 ただし耐震改修も行う場合は65万円/戸
【3:エコ住宅への建替え】
<要件>
・耐震性のない住宅を除去し、エコ住宅に建て替える事
<補助事業者>
・注文住宅てあれば、建設業者。分譲住宅であれば宅建業者
<補助対象>
・エコ住宅の建設
<補助額>
原則30万円/戸
ただし、認定長期優良住宅やさらに省エネ性能の高い住宅の場合は、40万円/戸 又は50万円/戸
<限度額>
50万円/戸
※このほか、工事の着手時期、工事の完了時期などの規定も定められています。
最終的な工事の完了報告詳細は平成29年12月31日までです。
※詳細は住宅ストック循環支援事業(https://stock-jutaku.jp/about/)でご確認ください。
以上、3つの要件をご紹介しました。
2の「良質な既存住宅の購入」については購入者の年齢要件があるので注意が必要かもしれません。しかしそれ以外の2つは年齢要件はありませんし、中古住宅購入後にリフォーム、建て替えした場合も対象です。
この考え方が普及し、既存住宅を自分でリフォームしようという意欲的な購入者が増えてほしいものです
期待が集まる「住宅ストック循環支援事業」ですが、事業自体の利用度やお得感も重要ですよね。
使い勝手については『中古住宅市場は拡大するか?「住宅ストック循環支援事業」について③』で見ていきます。
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