「つなぎ融資」はどういうシーンで使う?
住み替えのタイミングは、大きく分けると3パターンあります。
1.売却と購入が同時期
2.今住んでいる売却が先
3.次に住む家の購入が先
3.のようなケースに加え、1.と2.でも住宅ローンが残る場合に役立つのが「つなぎ融資」です。
1.と2.の場合、購入の段階で売却が為されているため、売却代金を次の不動産を購入するための諸費用などに充てることができる場合が多いです。しかし、売却前に購入となった場合には売却代金の受け取りの前に購入先に支払う諸費用の支払いが随時発生してきます。その費用を自己資金で用意するとなると負担が増してしまいますが、購入手続きが終盤にならなければ住宅ローンも下りません。そういった場合に、負担を軽減するのに有効とされているのが「つなぎ融資」です。つまり、売却代金も住宅ローンもまだ無い状態で発生する諸費用の支払いのために、住宅ローンが下りるか売却代金が受け取れるまでの「つなぎ」として為される融資。これを「つなぎ融資」と言うのです。
魅力的!?つなぎ融資のメリットとデメリット
暫定的に資金負担が減らせるため、とても魅力的に感じる「つなぎ融資」ですが、デメリットもあるといわれています。メリットと一緒に詳しく見ていきましょう。
<メリット>
・買い先行で行動しやすくなる
・自分で調達する資金負担が軽減できる
<デメリット>
・ローン期間に決まりがある(原則6ヶ月~1年)
・金融機関が限定的で、自由に金融機関を選べないことがある
ローンの期間が決まっているため、その間に売却なりローンの実行なりが為されなくてはいけないという制限があります。しかも、金利が有利なところを自由に選べないというところも押さえておきたいポイントです。
利用しない方がよいケースもある?
もし、不動産売却代金として見込まれる額のつなぎ融資を利用したとして、不動産が無事に売れれば大きな問題はないでしょう。しかし、「不動産会社による買取保証」のつなぎ融資となっているのに売れなかった場合には、不動産会社が物件を買い取ることになります。
「不動産会社が買い取ってくれるのであればよいのでは?」と思うかもしれませんが、不動産会社が買い取る場合、価格が市場価格の70%程度の買い取りになるといわれています。仮に2,000万円で売りに出していたら、1,400万円になるということですので、多くの売り主にとっては大きな損失になりかねません。つなぎ融資の額によっては返済に困るという事態も考えられます。
駅から遠い、建物が古い(築年数が10年以上)などマイナス要素が多いのであれば「売りにくい物件」の可能性が高くなります。つまり、そういった物件からの買い替えにつなぎ融資を利用すると、損をしてしまう可能性が低くないということです。
しかし、つなぎ融資を怖がって不動産が売れるのを待っていたら、今度は住みたい家が見つかっても諦めることにもなりかねません。自分にとってなにが最善なのかを見極めながら、つなぎ融資をうまく活用しましょう。