不動産売却には「条件交渉」が付き物
不動産の売却は、売り主の希望する価格などを一方的に買い主に提示し、それに納得する人が購入するというものではありません。物件や土地に興味を持って購入しようと思ったら、まず「買付証明書(購入申込書)」が作成され、売り主に提示されます。
この買付証明書には、購入を検討している買い主の希望する条件が記載されています。主な項目として、購入希望価格や希望する引き渡し日、不動産の代金の支払いに関することなど、基本的な希望条件が書かれていることが多いです。
売り主はこれを受け取り、買い主の条件をチェックして、売却に向けて交渉するかどうかを判断します。交渉OKとなった場合、売り主と買い主の双方の不動産会社が交渉を進めていくという形が一般的です。
どのような調整をしていくことになる?
売り主と買い主の不動産会社は、それぞれの希望条件をもとに調整をしていきます。どちらか一方の条件を優先しては交渉が難航するだけでなく、互いの印象が悪くなりかねません。そのため、不動産会社はこれまでのノウハウを活かして、両者が納得できる解決点を見出していくことになります。
調整することになりやすい条件には、次のようなものがあります。
・不動産の売買価格
・手付金の金額
・引き渡し日
・瑕疵担保責任の期限
・建物や設備の補修をするかどうか
価格については、特に両者がなかなか譲れない部分です。そのため、不動産の価格について「買い主から値下げの要求があった場合には建物や設備の補修をなしにする」など契約全体を総合的に見て話を進めることも多いといわれています。
不動産会社とよく相談をしながら、お互いに納得できる形におさまるよう柔軟に対応するようにしましょう。
とは言え、最終的には自分で判断することになります。不動産会社のアドバイスだけで判断するのではなく、市場の動向など自分自身もできる限りの情報収集を行うことも大切です。後々、「こうすればよかった」と思うことがないよう、よく考えて結論を出すようにしましょう。