不動産の売却を求めるチラシの見方
不動産のチラシは、売却したい物件の内容だけではないことがあります。「このエリアの物件を求めている人がいます」といったあたかも買い主の存在をにおわす文言がうたわれていることがあるのです。このような物件はどのような目的があるのでしょうか。
これには、売り主からの連絡を働き掛ける目的が込められています。売却の仲介ができる不動産が豊富なほど、買い手に紹介できる選択肢も増え、取引を行いやすいことからこのような広告を用意することがあるのです。
売却不動産のチラシ、注意したいポイント
売却不動産のチラシは、厳しいルールの下で作られています。大きな買い物となるため、誤解を与えるような誇大広告も当然禁止されています。とはいえ、「本当?」と思うような広告表現が見られることがあります。その例をお教えします。
1.駅までの距離やかかる時間
売却された不動産の情報でよく見る「駅まで徒歩○分」。これは実際に計測されているわけではないことをご存知でしょうか。駅までの距離については、次のような計算式で算出されています。
「道路距離80m=1分(1分未満の端数がある場合は切り上げ)」
つまり、駅までの距離が450mだった場合、この式に当てはめると「450m÷80m=5.626分」となります。端数は切り上げるため、この場合は6分と表示されます。ちなみに、駅までの経路が複数ある場合、不動産と施設までの距離がもっとも近いものが採用されることが多いようです。マンションの場合はエレベーターに乗っている時間も含まれませんし、駅から不動産までの間に信号や踏切があってもその待ち時間なども当然含まれていません。
このことから、駅まで徒歩6分と書かれていても、実際には10分以上かかるということもあるのです。売却不動産のチラシに書かれてある情報を鵜呑みにすることがないよう、注意しましょう。
2.不動産の価格
取り扱っている売却不動産には価格が表示されています。新築であれば、値引きなどはあまり行われないため、広告に記載されている売り出し価格=成約価格となるケースが多いですが、中古物件の場合はそうならないことが多いです。
それは、値引き交渉が行われることがままあるためです。売り主はその点も考慮して売却価格を設定しているケースがほとんどですので、購入の際は一度値引き交渉をして見るとよいでしょう。