農地は簡単に売却できないって本当?
農地の登記簿上の地目が「田」や「畑」となっている場合、買い手がなかなか見つからないことがあります。それは売ることのできる相手が決まっているためです。
田や畑として使用する、農家や農業生産法人などにしか農地は売却できないということになっています。また、買い手である農家・農業生産法人などが決められた条件をクリアできなければ売却することができないとされているため、簡単にはいかないのです。
ちなみに、買い手に求められる主な要件とは次のとおりです。
・農業をするうえで必要な機械を所有しているか
・購入する土地の広さに対して、従事する人数は適当か
・買い手が所有する農地のすべてを利用しているか
・常時農業に携わっているか
・耕作面積が50アール以上あるか
どうしても売れないときは、売却を予定している農地に隣地する農家に購入してもらえないか聞いてみるものひとつの解決方法です。
農地として売却する時の相場はどれくらい?
農地として売る場合、価格の設定は大きな課題となります。ただ、農地の売買金額はピンキリです。それは、宅地のように坪単価の相場が地域ごとに決まっておらず、同じ地域であっても平米単価が大きく違うケースもあるためです。
相場を調べたいのであれば、必ず複数の不動産会社へ査定をしてもらうようにしましょう。そうすることで、売却予定の農地の相場がわかってくるでしょう。
売却後の気になる税金…どうなるの?
農地を無事売却できれば、気になるのが売却益(譲渡所得)です。これは、農地に限らず土地や物件を売買したときにも発生するものですが、農地の場合にはそれらと大きな違いがあります。農地は次の農業の担い手に譲渡をするということから、宅地などよりも手厚い特別控除となっているのです。
農地の特別控除は3段階あります。
1.800万円の控除
2.1500万円の控除
3.5000万円の控除
また、農地を売却したときに発生する所得税や住民税の税率は所有期間によって違います。農地の所有が5年以下であれば、所得税率は30%、住民税率は9%です。5年以上の長期間にわたって所有していた場合は、所得税率は15%、住民税率は5%というように、長いほど手厚い内容となっています。