売却するときには全所有者の同意が必要
共同で所有している土地を売却する際は、原則として全員の同意を得てから売却することになります。全員が立ち合いの元、それぞれの必要書類や売買契約書の押印などを経て売ることになるのです。
しかし、中には遠方や都合で出席できないケースもあります。その場合は、委任状を用意することで、本人に代わって売買契約の手続きを進めることが可能とされています。ただ、委任状が偽造される可能性がなくはないので、最終的には委任した本人に売却の意思の確認を行うことになっているようです。
売却代金などの分配方法について
売却後の代金の分配は、持分(権利)によって決まります。
1.売却金額
Aさん1/4、Bさん3/4の持分の場合、次のとおりとなります。
・Aさん:売却金額総額×1/4
・Bさん:売却金額総額×3/4
この計算方法で算出された金額を、確定申告することになります。
もし端数が出る場合は、それぞれの話し合いで分配するのが一般的とされています。
2.経費
売却は、売却代金が手に入るだけではありません。その手続きには、さまざまな諸経費が必要です。この売却に必要な経費については、売却で得た代金と同じように、持分の割合で分割されることになることが多いです。
誰かが代表して手続きを行ったとしても、共同で所有している人全員で負担することになります。自分が発案・代表して売却を行うのであれば、売却について相談した際に、この点についてもきちんと伝えておくことでトラブルを回避できるでしょう。
手続きが面倒…先に名義変更できる?
共同名義の場合、全員の書類などを揃えたり、同意を得たりしないといけないため、先に誰かの名義にしてしまえばいいのではないかと思う方がいるかも知れません。
しかし、相続絡みでないのに名義変更を行うと贈与とみなされてしまい、贈与税を支払うように言われるケースがあるとされています。贈与に関しては、年間110万円以内であれば非課税とされています。しかし、もし課税対象となってしまうと、一般的には贈与税の税率は高いといわれているので、高い税金を払うことになり、損をする可能性があります。
共同名義の全員が売却に賛成しているのであれば、委任状などを利用して円滑に手続きを進められるようにするのがよいでしょう。