土地の分筆とそのメリットについて
「分筆」という言葉はあまり聞きなれないかもしれませんが、簡単に言うと1つの土地を2つ以上、つまり共有名義の人数分などに分けることを言います。持分(権利)に合わせて”面積”で分け合うことにすれば、それぞれの土地が各所有者のものになり、複数の土地と各所有者名義の不動産へと変化するのです。これにより、共有のものという概念がなくなるため、自由に土地の売買をできるようになるというメリットがあります。
分筆することで生じる問題点がある?
土地が複数になり、個人名義の不動産になることを考えるとメリットが大きいように感じられますが、持分に合わせて”面積”で分けると、どこに境界線を設けるかでトラブルとなることがあります。
例えば、土地の一辺しか道路に面していないのに、土地を道路に面した分と道路に面していない分に分けてしまうと、前者に比べて後者の土地の価値が低くなります。ほかにも、繋がった二辺の角地を、二辺とも道路に面している分と一辺しか面していない分に分けてしまうと、後者の価値は低くなってしまいます。
持分に合わせて面積で分けるというのは一見良さそうに見えますが、どのように分けるかによってそれぞれの土地の価値が大きく変わってしまうことから、うまく分けるのは難しいと言えるでしょう。
分筆してから個人所有の土地になるまで
個人の土地になるまでには手順があります。ここでは、分筆の流れについて解説します。
1.境界線を決める
分筆するにあたり、新たな境界線が必要となります。これには、きちんと測量をして決める必要がありますので、土地家屋調査士に依頼をして、測量図などを製作してもらうことになります。この場合、土地の広さにもよりますが50万円程度の費用が必要となることが多いようです。
2.分筆登記の申請
土地を分筆するため、共有者全員で分筆登記を行う必要があります。この登記を依頼して行ってもらうと、5万円程度の費用が必要といわれています。
3.所有権移転登記
分筆登記が終われば、所有権に関するもろもろの登記を行います。持分に応じた土地が自分名義の独立した不動産となり、自由に売買などできるようになります。この際にも登記の費用などが必要になります。
1個の土地が各個人のものになるメリットはありますが、そこまでにいろいろな費用が必要となることを頭に入れておきましょう。