こんにちは。婚活FP山本です。不動産は共有名義で所有権が持てる珍しい資産。ですが共有名義の不動産は原則「全員が同意しないと売却できない」のが最大のデメリットです。ただ発想の転換次第では、これはメリットにもなりえる様子。今回はそんな実話です。
夫に先立たれた女性、心残りは一つ!
ある地方に70代の未亡人女性Aさんがいました。Aさんは少し前に夫を亡くし、夫の貯金と不動産を全て相続した方。またAさんには男兄弟の子供が2人いましたが、夫の相続時には特にモメる事はありませんでした。
その兄弟も二人とも結婚し、それぞれで不動産も家庭も持っていたのですが…Aさんには唯一心残りが!この兄弟はもの凄く仲が悪かったのです。顔を合わせれば暴言しか出てこないほどに…。「自分が育て方を間違えた」と、Aさんは常に後悔していました。
とことん不仲な兄弟で争族必死!そこで…
Aさん自身もそう長くは無く、このまま自分が死んだら相続で確実に兄弟で大きな喧嘩になる…。何とか兄弟仲を修復する方法はないかと悩んでいました。実は現役時代は銀行勤務だったAさんは、ここで遺言をもとに一計を案ずることに!
内容は「不動産を兄弟の共有名義にすること」でした。普通に考えたら余計に喧嘩になりそうなものですが…Aさんの発想は違いました。「共有名義なら不動産を相続しても兄弟仲良くしないと売却できないだろう」と考えたのです。
没後、不十分ながらも効果があった!
そして数年後、Aさんは病院で静かに息を引き取りました。その後、相続時に初めて兄弟は遺言の存在を弁護士から教えられ、不動産共有名義の内容に騒然。激しく兄弟間でののしり合いが始まりました…。貯金はほぼ無かったので尚更に。
ですが喧嘩してては売却はできません。そして互いに不動産を所有していたため、不要な実家不動産は売却したいハズ。その後少しずつ、少しずつ実家不動産の売却の件で兄弟で連絡を取り合う機会が増えました。あえて共有名義にした母親…最後の親の願いですかね。
おわりに
共有名義の不動産は全員が同意しないと売却できない。売却したいならたとえ一時的にでも兄弟仲良くするしかない…。一般的には共有名義の最大のデメリットと言われる点も、こう考えると確かに良いのかもですね!