こんにちは。婚活FP山本です。高齢の会社経営者にとって大事なのが跡継ぎ問題。個人経営なら自分の代で潰せますが、大事な従業員がいればそうもいきません。ならば時には第三者へ売却してしまうのも手かも…。今回はそんな実話です。
跡継ぎに悩む高齢の経営者。三人の子供達は皆…
ある地方に70代の既婚男性Aさんがいました。Aさんは自宅不動産の隣で社員20人程度の小さな会社を経営する2代目社長。地域に愛され小さいながらも会社経営は実に順調でした。ですが寄る年波には勝てず、最近では跡継ぎをどうするか悩んでいたのですが…。
実はAさん夫婦には三人の子供がいるのですが、三人とも会社の跡継ぎにはちょっと不適格。長男は「ビッグになる!」と高卒後に家を出てバンドマンに。次男は大卒後に別会社に就職、長女は自分の会社に入るも二人とも40歳を過ぎて未だに独身…。困ったもんです。
長男が嫁と子を連れて出戻り!喜びも束の間
そんな悩みを抱えていたある日、なんと長男が嫁と3人の子供を連れて帰ってきました!聞けば子供が育つ中でAさんの気持ちが分かった。トシで大変だろうし、将来的には自分が跡継ぎになるとの事。Aさんは「これで会社も安泰だ!」と凄く喜びました。
その後、自宅不動産で同居しながら会社経営の基本を少しずつ教え続けたAさんでしたが…1ヶ月も経つ頃には反発ばかり。さらに長女の密告で他の従業員と頻繁にトラブルを起こしていた事も発覚。それでも根気よく教えようとしたAさんでしたが…。
次々に辞める従業員。最後は苦渋の決断を…
結局、長男は夢に破れて生活に困って戻ってきただけ。会社経営の跡継ぎになる気など無かったのです。3ヶ月も経つ頃には自宅不動産でも喧嘩が増え、さらに次々に従業員も辞表を持ってくる有り様。わずか3ヶ月でこんな事になるとは誰も予想できませんでした…。
従業員は皆近所に住み、長年働いてくれてた方ばかり。そんな皆を守るため、Aさんは苦渋の決断をしました。跡継ぎを諦めて自宅不動産を売却し、会社も同業他社に売却する事に…。幸い売却金は隠居生活資金には十分でしたが…後味の悪い結末ですね。
おわりに
跡継ぎ問題に悩む中で更なる跡継ぎを連れて長男が戻れば、中には同様の行動を取る会社経営者もいるかもしれませんね。それがまさか会社とともに自宅不動産の売却話になるなどとは露ほども思わずに…。それでも最後、従業員を優先して考えたAさんは立派なのかもしれません。あなたもどうぞご注意を!