こんにちは。婚活FP山本です。世の中には頑なに「賃貸・家賃はもったいない」を実践する方がいますよね。それ自体は個人の自由ですからいいんですが、不動産はその性質上「分割が困難な資産」です。特に相続の際にはご注意を…。今回はそんな実話です。
定年目前、父に先立たれて母が不動産を相続
ある都心部に両親と同居している定年目前の独身女性Aさんがいました。Aさんは婚期を逃したものの、優しい両親とずっと幸せな日々を満喫。そんなある日、父親が突然の病気で帰らぬ人に…。なんでも脳卒中だったそうです。
そして遺産分割の話になったのですが相続人は母とAさん、そして結婚して家を出てたAさんのお兄さんの3人。めぼしい相続財産は実家不動産だけだったので、特に話し合いもせずにそのまま母親が相続。その後はAさんと母親の二人暮らしとなりました。
「家賃はもったいない」と売却金でまた購入
不思議なもので、3人なら丁度良かった実家不動産は二人になった途端に広すぎると感じるように…。引いては寂しさを強く感じたんでしょうね。母はAさんに「どこかに引っ越さない？」と提案。特に断る理由も無かったので承諾しました。
しかしここで悪手を！A母は元々「家賃はもったいない」が信条の人。賃貸を嫌って相続した実家不動産を売却し、その売却金と貯金でまた不動産を購入してしまいます。Aさん的には「賃貸でもどっちでも。母の好きにさせてあげたかった」らしいですが…。
相続後、分割財産が無く争族勃発…
その数年後、元々Aさんの母も十分な高齢。父の後を追うようにお亡くなりに…。Aさんこれまでの献身的な介護、お疲れ様でした。そして2次相続となった訳ですが、ここで相続問題が表面化します。A母の相続財産はほぼ購入したばかりの不動産しか無かったのです。
さすがに2次相続では兄も黙りません。自分の分を不動産を売却して払えと！ですがAさんも数年住み、母との思い出の詰まった不動産は売却したくありません。購入したばかりでもありますからね。ですが代償となる貯金も無く…。さて、この結末はいかに？
おわりに
実家不動産を売却した点はともかく、さすがに1次相続後は不動産を購入ではなく賃貸を選ぶべきだった話ですね。「家賃はもったいない」も度を超すとトラブルに…。賃貸か購入かは、目先の損得以上に相続など先々を考えて選びましょう。
