こんにちは。婚活FP山本です。「ウチは財産無いから争族(相続)は無問題」等とよく言われますが、実際には金額を問わず起こるもの。特に財産が自宅不動産のみだったりすれば尚更です。今回は争族を目の当たりにした母の最期の愛情劇となった実話をお伝えします。
家族全員が同居の中、夫が事故死
とある地方にまもなく70歳になろうという既婚女性Aさんがいました。決して生活にゆとりがあった訳ではありませんが、特に不自由もなくA夫さんと穏やかな日々を満喫。ですが一つだけ、Aさん夫婦には大きな悩みがあったのです。
それが共に30歳を過ぎても未だに自宅に住む、子供である兄妹(以下A兄、A妹)の存在。しかもこの二人は毎日のように兄妹喧嘩をするほど仲が悪かったのです。そんな兄妹喧嘩に日々疲れてたAさんに突然の不幸が…なんとある日、A夫さんが事故にあいました。
保険は未加入、財産は自宅のみ…
何でも酔って夜道を歩いていた時に池に転落してしまったそうな…。あまりにも突然の悲劇にAさんは苦しみました。そして葬儀を一通り終えて財産整理をしていた時、ふと相続のことが頭をよぎりました。A夫さんは貯金も無い年金暮らしで財産は自宅不動産のみだったのです。さらに保険も未加入でした。
幸い親子間の仲は悪くなかったので、自宅不動産はひとまずモメる事なくAさんが相続。ですがA夫さんの没後も変わらぬ兄妹喧嘩を見て「自分が亡くなったら兄妹は…」とヒドく不安を覚えました。もちろんAさん自身も、さしたる貯金はありません。
2次相続対策のため、自宅不動産を売却
日々の兄妹喧嘩に疲れ、自分の没後も考えたAさんはなんと相続した自宅不動産を売却し、売却金をキッチリ3等分して兄妹に渡しました。「もう自宅は無い。この売却金で部屋を借りて互いに一人で生活しなさい」と。さすがの兄妹も反省しましたが、もう後の祭りです。
もっとも事情はAさんも同じ。Aさん自身も売却金で部屋を借り、一人暮らしのスタートでした。幸い自宅不動産の売却金と遺族年金で生活はでき、むしろ兄妹喧嘩の無い日々にホッとされてる様子。ぜひ人生の最後くらい、のんびりお過ごし下さいね♪
おわりに
もしAさんが自宅不動産を売却せずにそのまま2次相続を迎えていたら…結果は火を見るより明らかかと。争族になるくらいなら早期に不動産を売却してしまう…自分にも一定の被害がある中での売却決断は、子を思う母の愛情があったからこそかもですね。