土地には公的評価といって4つの価格があります。
1つのものに対して複数の価格があるというのは不思議な気もしますが、それぞれどのようなものなのでしょう?
またそれぞれに目的も異なるのです。
○公的評価とは
国や地方自治体などが不動産鑑定士に依頼して、土地価格を鑑定評価し公表したものを公的評価といいます。
土地には、公示価格、基準地価格、相続税評価額、固定資産税評価額という4つの公的な価格があります。
それぞれがどのようなものか、何を目的としている価格なのかを説明したいと思います。
○公示地価
公示地価というのは、地価公示によって公表される標準地の価格。
毎年1月1日の価格が公表され、他の土地の価格を定める参考になっているものです。
標準地というのは、国土交通省の土地鑑定委員会により選定され、同じ用途で使われるまとまった土地の中で標準的な場所と判断されている土地。
周辺の土地の評価の基準となるこの標準地は、毎年審査され標準地に適していないと判断されれば、新たな標準地が選定されるようになっています。
公示地価はどうやって決まるのかと言うと、不動産鑑定士によって鑑定評価が行われ、その後に不動産鑑定委員会に精査されてから公表されます。
公表されている地価のため、土地の価格を知りたい時や、売買のために土地に金額を付ける時などいつでも利用することができます。
また道路を大きくするなどの理由で、土地の所有者に立ち退きを要求する場合があります。
そういった場合の用地取得で支払われる補償金の金額も、この公示地価が目安となり決められてます。
このように公示地価というのは、特定の立場ではない指標として非常に重要なものと言えるでしょう。
○地価調査
上記の公示価格の不十分な点を補うために行われるのが、都道府県地価調査。
公示地価は国土交通省が地価公示法に基づいて公表されるのに対し、この地価調査は都道府県知事が国土利用計画法に基づいて、地価の標準価格を判定しています。
毎年7月1日に行われ9月に国土交通省により公表されています。
○課税のための評価
土地の価格というのは、立地条件で大きく左右され、そして道路は重要なポイントとなります。
道路に接する土地の評価額を路線価といいます。
路線価というのは、税額を決定する上で基準としている価格。
公示地価では限られた標準地の地価しかありませんが、この路線価というのは道路に面した土地はすべての価格が対象となっています。
そのため細かい場所の地価を調べることが可能。
路線価には相続税路線価と固定資産税路線価があります。
相続税路線価は国税局が、毎年1月1日の価格を7月に公表。
対して固定資産税路線価は市町村が、3年に1度、1月1日の価格を4月に公表されます。