家電や日用品だけではなく不動産にまでに至った中国人による爆買いブーム。
今ではそんな爆買いも過去の話となりました。
ではなぜ中国人は、あれだけ勢い良く日本の不動産に群がり、そして手を引いたのでしょうか?
中国人による日本の不動産爆買いが話題となっていました。
しかしその勢いは急速に弱まった様子。
あれだけ勢力のあった不動産の爆買いから、中国人が撤退した背景には何があるのでしょう。
○爆買いブームの理由
まず考えてみたいのは、どうして中国人投資家は、日本の不動産に群がっていたのかという点です。
その理由は、中国の都市部の物件と比較して、日本の物件が手頃に購入することができたため。
また2020年の東京オリンピックの効果で、不動産の値上がりが期待できたからという理由もあるでしょう。
特に東京の湾岸エリアにあるタワーマンションなどは中国人からの需要も高く、大量に購入されて注目されました。
また日本の不動産は所有できるのに対して、中国の不動産は個人で所有することが認められていません。
それも日本の不動産爆買いの大きな理由のひとつと言えるでしょう。
投資目的での購入がほとんどではありますが、中には日本へ移り住むことが目的というケースも少なくなかったのです。
○なぜ中国人投資家の日本不動産爆買いは終わったか
上昇傾向にあった日本の地価ですが、今後は下がっていくのではと考えられており、買い占められていた不動産も売却への動きを見せています。
それは値下がりする前に売ろうとしている中国人投資家が、判断したタイミングだったということです。
そして日本不動産を購入しなくなった何よりの原因は、中国の政策変更が背景としてあります。
国外へ資産が流出することを警戒している中国政府。
一人当たり年間5ドルまでしか国外への持ち出しが認められていないため、中国人投資家たちは複数の協力者を集めてまとまったお金を持ち出してきました。
しかし昨年には、外貨管理の規制が強化され資金を国外へ持ち出しにくい状況となったのです。
今や中国人が海外で不動産を購入するのは、非常に難しくなっているということです。
○爆買いは終わったけど、まだまだ中国人からの需要は高い
しかし、日本の不動産に興味がなくなったのかと言えば、そういうわけではないのです。
中国の不動産というのは、突然資産を取り上げられるなんてこともあるようです。
そのため国家の権力でも所有権は奪えないという日本の不動産は、やはり中国人の目には魅力的に映るのだとか。
爆買いこそ終わった感じがあるものの、まだまだ日本の不動産は中国人からの需要も高いと言えるでしょう。
そして最近では日本の都心部だけではなく、地方の不動産も人気があり中国人の買い手がつくことも珍しくないようです。