双方代理は禁止されているけど、不動産の媒介って同じことじゃないの?
似ているけど異なる、そんな双方代理と媒介の違いを説明します。
またどうして双方代理はいけないのでしょう?
同一の人が双方の代理人となり契約を結ぶことを双方代理といいます。
これは民法で禁じられている行為。
しかし不動産を売却する人、その不動産を購入する人の媒介を受け持つ不動産業者が同じ場合って双方代理ではないの?
そんな疑問を感じている人も多いかもしれません。
でも双方代理と媒介は似ているようで異なるもの。
ややこしいその違いを説明します。
○代理人と媒介人では役目が異なる
代理人の役目と媒介人の役目というのに、そもそも大きな違いがあります。
それぞれが何をする人なのかを考えてみましょう。
代理人というのは、たとえば不動産契約の場合で言えば、本人に代わって契約を締結する人を指します。
対して不動産業者などの媒介人は何をするのかと言うと、不動産を売却したい人や購入したい人に提案をするだけで何かを決定する権利もありません。
契約がスムーズに進むようにアドバイスをしながら、両者の橋渡しをするというのが役目となります。
そのため不動産の媒介というのは、双方代理とは根本的に異なるということが理解できたでしょうか。
○なで双方代理はダメなのか?
ではどうして双方代理は認められていないのでしょうか?
不動産の売買の場合、売却したい人はできるだけ高く売りたいと考えており、反対に購入したい人はできるだけ安く買いたいと考えています。
このように売買契約を結ぶ双方の考えは両極端なものです。
そこに双方代理が認められてしまえば、その契約はどうなってしまうでしょう?
どちらかを優遇することが可能となり、もう一方は損をしてしまうと状況が出来上がっててしまいます。
公平の立場で売り手、買い手を取り持つために、双方代理は禁止されているのです。
○同じ不動産に媒介してもらうとなると公平は難しい?
なのですが、公平な立場というのが重要なら、売り手も買い手も同じ不動産業者に媒介を依頼しているという場合はどうなのでしょう?
売却したい人、購入したい人が別の不動産業者に依頼すれば、それぞれの業者は依頼した人の要望に応えるように努めることができます。
しかしそれが双方から依頼されているとすると、両極端の要望を聞きながらスムーズに契約を結ばせるということは非常に難しいでしょう。
片方の意見は尊重して、もう一方が損をしてしまうというケースがないとはけして言い切れないのです。
どちらの要望をしっかりと考えて、双方が納得いくように取り持つには、やはりその不動産業者の力量というのが大きなポイントとなると思います。