傾斜マンション問題はニュースで大きく取り上げられたため知っている人も多いでしょう。
でもあれ、どうなったんでしたっけ?
欠陥マンションやその補償について考えてみました。
○傾斜マンション問題
横浜市に位置する4棟で構成された大規模マンション。
その中の1棟が傾いているという問題がありました。
調査により複数の杭が地盤に達しておらず、竣工の不備ではなく虚偽のデータを基準として工事が行われたことが発覚しました。
○あの問題は結局どうなった?
ニュースで連日報道され多くの人に知れ渡ったあの問題は、住民の決議集会により4棟すべての建て替えが行われることに決定しました。
住民のほとんどが建て替えに賛成した理由は、マンションの販売元が建て替え費用とは別に、住民に対して莫大な補償を用意したからだと言われています。
慰謝料は300万円。
また建て替えが完了するまで、月に約30万円ほどの家賃補償が受けられるのだとか。
他にも、住んでいた部屋にまた入居できることや、売却希望の住民からは新築想定価格での買取が約束されました。
この問題で住民の人は大きな不安や怒りがあったことと思いますが、これほど手厚い補償を受けられることは非常に珍しいケースでしょう。
建て替えられるマンションは、販売元にとって今後の評判にもつながるもの。
以前よりもグレードの高いマンションになるのではと予測されています。
○手厚い補償なんて異例中の異例
建て替えまでの仮住まいの費用を負担してもらえて慰謝料も受け取れる、転出する住民は購入価格よりも高い値段で買取してもらえて、さらに慰謝料も。
この手厚い補償、部外者からすれば、めちゃくちゃラッキーだなぁとすら感じてしまうかもしれません。
でも住民からすれば当たり前。
なぜ恵まれていると感じるのか、それは過去にあった欠陥マンションの補償と比べてしまうからでしょう。
過去の欠陥マンションの歴史を遡ってみればみれば、建て替えを求める住民と、補修で十分と考える公団で交渉は長引き、建て替えまでに長い期間を費やすなんてケースもありました。
また販売元が欠陥問題により破産してしまい、補償できないなんてことも。
巨額の費用を住民が負担してマンションを建て替えなければならないということもあります。
インターネットのアンケート調査によると、新築のマンションを購入した人で、20%以上の人がわずかではない欠陥があったと答えています。
その中で販売元に欠陥を伝えたが補修も補償もしてもらえなかった人は17%もいるのだとか。
多くの人が知っている傾斜マンション問題。
その補償が当たり前のものと勘違いしてしまうと、痛い目にあってしまうかもしれません。