皆さま、こんにちは。LR会計の山田です。
ニュースを見ておりますと、2012年12月に始まったいわゆる「アベノミクス景気」が、
1990年前後のバブル経済期を抜いて、戦後3番目の長さなんだそうです。
う~ん、確かに近所のコンビニのバイト募集の時給を見ても、千円を超えてきておりますし、
私の顧問先も皆さん人手不足でお悩みなので、そういう意味では景気は良いのかもしれませんね。
ただ、それ以外には景気の良さというのが実感わかないな~と思いますとともに、
中には業績悪化で苦しんでいる会社さんもありますのでそういったところから
財務改善のご相談を受けることもチラホラあったりします。
というわけで本日のタイトル。セール&リースバック取引を取り上げます。
名前くらいは聞いたことございますでしょうか?
簡単に申し上げますと
1)A社が所有している不動産をB社に売却して⇒「セール」
2)A社はB社から当該不動産をリース取引で利用する⇒「リースバック」
ということです。
この取引を行うことで、業績悪化により資金繰りに苦しんできたA社は
不動産の売却代金という資金を手に入れることができるので一息つけるわけです。
また、不動産、たとえば工場を売却したとしても、その工場はリース取引で継続して使用できるので
本業にも支障をきたさないというメリットもあります。
と、ここまで書きますと、セール&リースバック取引はとても魅力的な手法に様に思えます。
ただ、実務を見ておりますと落とし穴もあるのでご注意いただきたいです。
何が落とし穴かと申しますと、不動産の売主であるA社と不動産の買主であるB社の力関係を示しますと
A社⇒お金が足りない。早く不動産を売却して資金を確保したいと思っている。
B社⇒不動産を購入するお金がある。別に急ぐ理由はない。
ということですので、買主であるB社が圧倒的に有利。
とくれば、不動産の買い叩きが発生する可能性が高い!!
私の感覚ですと、通常売却時の30%から50%程度のディスカウントが発生するように思います。
いやはや、世知辛いですが、やはりこの世はキャッシュを持つ者が強いのだなと感じます。
そのため、セール&リースバック取引を検討される際は、不動産の売却値段についてご留意いただきたいところです。
とはいっても、目の前の資金繰りを考えると・・・なかなかそう上手くはいかないわけですが。