皆さま、こんにちは。LR会計の山田です。
あと10日すると、いよいよ所得税の確定申告が受付スタートします。
そこで、ごくたまにしかないのだけれども、たまにだからこそ間違いやすい
不動産絡みの税金の話として「立ち退き料」を取り上げます。
「立ち退き料」で注意すべきなのは、
名目は同じ立ち退き料であっても、「中身」によって3つの性格に区分され、
その区分によって所得区分が決まるということにあります。
- (1)資産の消滅の対価補償としての性格のもの
- ⇒家屋の明渡しによって消滅する権利の対価の額に相当する金額
(2)収入金額又は必要経費の補填としての性格のもの
⇒立ち退きに伴って、その家屋で行っていた事業の休業等による収入金額又は必要経費を補填する金額
- (3)その他の性格のもの
- ⇒上記(1)及び(2)に該当する部分を除いた金額
いかがでしょうか?
イメージとしては
(1)権利の対価を払っている場合。例えば最初に賃借する場合に「権利金」として60万円を払っているとしたらこれに該当します。
(2)当該不動産で個人事業をやっていた場合。例えば、ビルの1階で居酒屋を個人で営業していのだけれども、大家さんから立ち退きをお願いされてしまったとしたらこれに該当します。
(3)居住用として使っていた場合。個人事業をやっていない場合で権利金も払っていないということならこちらに該当します。
さて、この時のそれぞれの所得区分は
(1)⇒譲渡所得
(2)⇒事業所得
(3)⇒一時所得
となっております。
そのため、特に個人事業をやっておらず、自宅として使用していた物件に関して立ち退き料を受領された場合には「一時所得」という扱いでよいかと思います。
では、一時所得として確定申告に取り入れましょう、ということになるわけですが、
一時所得の算定式は次の通りです。
一時所得の金額=総収入金額-収入を得るために支出した金額-特別控除額(最高50万円)
具体例を挙げますと
立ち退き料:100万円
引っ越し代:40万円
一時所得=100万円-40万円-50万円=10万円
となります。
この場合には確定申告が必要となりますのでご注意ください。