皆さん こんにちは!LR会計の山田です。
本日のテーマは所得税に関する「損益通算」です。
面白いもので、年が明けてまだ数日ですが、ちらほらと平成28年分の確定申告に関する質問が寄せられてきております。
というわけで、時期的にちょうどいいかなと思いますので、よくある質問として今回は損益通算を取り上げたいと思います。
損益通算とは言葉の通り、利益と損失を合算することです。
損失があることで、課税所得が減少し、その分だけ税金がお得ということです。
じゃあ、何でも損失が出れば通算できるのかというとそういうことはなくて
・不動産所得
・事業所得
・山林所得
・譲渡所得
の4つの所得で生じた赤字のみが損益通算の対象となります。
逆に言えば
・利子所得
・退職所得
上記2つはそもそも損失が出ることはなく、
・配当所得
・給与所得
・一時所得
・雑所得
上記4つは損失が生ずる可能性はありますが、損益通算の対象外ということになります。
たまに聞かれるのが雑所得、特に最近多いのは
FXで損失が出たけど税金安くなりませんか?
という悲鳴にも近い質問を頂くのですが
FXは雑所得に区分されておりますので、他の「先物取引に係る雑所得等」の金額との損益通算は可能ですが、
「先物取引に係る雑所得等」以外の所得の金額との損益通算はできません。
平成28年はイギリスの国民投票やアメリカの大統領選挙の時期に大きく為替相場が動きましたので、
同様の疑問を持たれた方が多いかなと拝察しております。
もちろん、投資をなさる時に、最初から損失が出ると思って始められる方はいらっしゃいませんので、
損失が確定した後になって税金のことを気にされる方が多いとは思うのですが、
一度痛い目にあった後は、今後は税金のことを気にかけて頂きたいなと思います。
逆に申し上げますと、投資で儲かった後にも税金が課されるわけです。
手許に残る儲けは税金控除後のものになりますので、
今年は税金のことを頭の片隅に置きつつ行動いただければ幸いです。