不動産投資の1つで、競売物件の転売という方法があります。様々な理由で競売になった不動産を購入し、それをまた販売していくことですが、その際に、内装に手を加えて価値を上げてから売却する物件が多いですよね。競売物件は市場価格より安く手に入れることが出来るので、お金をかけてリフォームして販売しても、そこまで高くならずに利益も大きいという売買なのです。まぁ最近は、競売物件に参加する業者も多くなり入札価格が市場価格に近くなっているという現象も見受けられます。
所有物件をリフォームしてから売却するという手法は、こういったところから出てきたのかなと思います。現状のまま売るよりは、少し手を加えて価値を上げて買い手に買ってもらいたいと考えれば、リフォームも売却のための広告活動の1つと言えますね。
中古物件をリフォームして売却する場合、外観を工事する方が買い手にも都合が良いことをpart1でお話ししました。特に投資物件を売却する場合には、買い手に見た目以外にも費用負担についてもメリットがあると書かせてもらいました。では、部屋の中をリフォームすることは意味がないことなのでしょうか?
今回は、部屋のリフォームを行い、売却をする場合についてお話しします。
よく投資物件(賃貸アパートや賃貸マンション)で部屋の中をリフォームすると言えば、水周りか壁のクロスを扱うことが主流です。時々畳の部屋からフローリングに床材を変えるという物件も見ることがあります。どういうリフォームをしたとしても、その後売却する場合にはそのかかった費用と価値の分だけ売却価格を上げることになります。ここで、外観のリフォームと内装のリフォームとで、買い手の方に売買価格に対する意識の違い出てきます。
外観のリフォームの場合には「いつかはやらなくてはいけない工事なので、やってくれてこの価格ならありがたい」
内装のリフォームの場合には「内装が新しいのはいいけど、それが入居につながるのかな?」
私もこのような買い手の方の感想をよく聞いていました。特に、内装のリフォームによって家賃が上がっていない場合や利回りが低い場合には皆さん否定的になりますね。というのも、リフォームすることで売買価格が上がる以上、買い手にとってみれば、購入後の収入も増えてもらわないと利益がでないため困るわけです。せっかく売主のオーナーさんが部屋を綺麗にして入居者がつけば買い手も喜ぶだろうと思っても、家賃が上がらないと意味がないと言えます。
内装をリフォームして売却するには、戦略が必要です。ただ、単に設備を変える、部屋の間取りを変えるということではなく、どうすれば家賃が上がるのかと検討しながら手を加えるべきでしょう。
私の担当した中古物件のオーナーさんの1人も、売却前に物件のリフォームを行いました。リフォーム後家賃を10%上げて入居募集を行い、満室にしてから売却するという計画をきめて、売却希望時期の1年前から進めていました。部屋の半分が空室で、近隣に女性の生徒が多い大学があるという状況もあったため、キッチンにIHコンロや、防犯機能の付いたインターホンなどの設備を充実させました。結果、家賃を上げた入居募集も成功し、満室に近い状況になりました。その後、周辺の売買価格よりも高く売却することができ、リフォームにかけた費用を回収することもできました。購入した買い手の方も、リフォーム時に入居していた部屋が空いた際には参考にしたいと評価されていました。
外観を扱うリフォームよりも時間と費用、細かな計画が必要ではありますが、内装をリフォームすることで価格を高めていくことも可能ではあります。