このごろ、少し気候も良くなり、もうそろそろ窓を開けて風通し良くしたい季節になってきましたね。


そこで、今回はドアを選定するにあたって。


クライアントと設計の打ち合わせをしていると、要望として頻繁に伺うのは、開き戸よりも引き戸を中心とした建具選定。理由は、風通しを重視するため。ごもっともです。


最近は操作が楽なドアストッパーも採用されていますので、うっかり開きドアを明け放しておいても風でバタンッ!ってことも少なくなってはいますが、廊下や動線に面したドアですと邪魔になりますよね。引き戸はスペース的に、良くできているシステムだと思います。


ところが、デザインに凝りたいところは開きドア、ドア枠は無くし壁と面合わせ、かつ天井までの高さとすることで、その存在感を消したいなぁと設計者として考えたりします。


機能性を考えると、引き戸。デザインは開き戸という葛藤を毎日しております(笑


最終的には、機能性を重視し、どのように引き戸を綺麗に収めるかに注力することが多いですかね。


一方、トイレドアは個人的に開き戸をお勧めしたいですね。理由は構造上、音を制御しやすいとうことと、しっかり閉まった感じがないと落ち着かない気がしませんか?(笑



さて、ところ変わればというのがトイレのドアです。学校やオフィスではトイレブースのドアは基本内開きと新人の時に教えられました。通路スペースの問題もありますが、ドアが半開き状態でも中の便器が見えなくなり、トイレに入った時の印象が良いのです。ところが、病院や福祉施設では内開きはNG。仮にトイレブースの中で人が倒れた時に、ドアを開けて救出できなくなってしまうからです。


この考え方は、住宅のトイレや納戸でも同じだと思います。


納戸の場合でも、積み重ねていた荷物が地震で倒れてきて、開けられないということも考えられますしね。


 

更に余談ですが、病院では開きドアのレバーハンドルは先端が丸くドア側に折り返しが着いているタイプを採用します。理由は、急いで開閉する際に白衣の袖が引っかからないようにするためです。


 

 
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木
2017年02月26日

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