不動産売却する場合、リフォームやリノベーションを考えているなら、ターゲットを絞り込んで価値を上げるのも1つの方法です。もし、若者にターゲットを置くのであるなら、これからは「家族」が1つのキーワードになってきます。
それを裏付けるように、「家族」を重視する若者の暮らしの意識が最近の民間企業が行った調査で明らかになっています。リフォームには家族が快適に暮らす空間が必要なのです。
家族を大事にする若者が増えた
■若者の住宅の購入には「家族」がキーワードに
住宅関連の研究を行っている株式会社住環境研究所の調査によると、20代の若者が住宅購入で重視することについて、「子どもや家族を中心とした暮らし」を重視する傾向にあると報告しています。しかも、「子どもを中心にした暮らし」か、「大人と子どもを区別した生活をしたい」のどちらに近い暮らしがよいかを尋ねた結果では、前者の傾向がより多くなる傾向になりました。
また、将来子どもが大きくなると、別の部屋が欲しくなるなどのニーズが出てくると思われますが、これに関しては、「あとで作り足す(増築する)」よりも「間取りなどを変更しやすい」つくりに注目が集まる傾向にありました。
このような結果から、まできるだけ広い間取りでシンプルな方が若者のニーズに合っていると思われます。
■夫の家事参加は増えたけれど子どものお手伝いは減った
一方、東京ガスが30-40代ファミリーの女性に行った調査した資料では、家事をする男性(夫)が増加しているという結果がでています。これはもちろん、共働き家庭が増えたことも影響しています。そのうえ、男女平等の意識が広まり、中学校でも家事に参加することの教育がされはじめた世代であるため、小さなことから家事をすることに抵抗がないためと思われます。
一方で、子どもの家事参加は減ってきたそうで、塾などで忙しくなってきた子どもの影響が反映されてきています。
■リフォームするなら自由度の高い空間を
この2つのことから、若者にターゲットを絞って不動産売却するのなら、自由度の高い空間を作れるようにリフォームすべきです。もちろん、リフォームしないで買主に任せるのがリスクは少ないですが、見た目に魅力的な物件にしたいなら、「家族」とともに暮らせる空間を充実させたリフォームにすべきです。先ほどの住環境研究所での調査でも、家を購入する場合、全くのオーダーメイドよりもセミオーダーの家を希望する傾向にあり、自分で間取りを工夫できる家が望ましいといえます。
また、最近ではスマホの普及により、子どもの交友関係などいじめを見抜くことができにくくなってきています。その意味でも家族が一緒にいることのできる空間が必要になってきています。
具体的には、リビングは広くとり、キッチンはオープンキッチンにできれば、なおよいでしょう。家族がともに料理に参加できる演出ができるオープンキッチンは若者のニーズに応えるものとなります。