不動産売却時の価値を少しでも上げるにはどうしたらよいかを考えたとき、購入する人の立場に立って考えることが1つの方法です。実際に、中古住宅を購入する時にポイントにすることはどのようなことでしょうか。参考にしながら何を準備すればよいか、考えていきましょう。


外壁リフォームも住宅価値を上げるポイント



■購入する人は築年数だけで見ていない

中古住宅の広告などを見ていると、おおよその表示項目は、次のようになっています。

①価格

②間取り

③交通の便(最寄り駅から○分 など)

④所在地

⑤築年月(築年数)

⑥建物面積(土地面積)

⑦周辺施設(学校や病院などへの利便性)

こんなところでしょうか。ここで売り主として変更できるのは価格、間取りくらいしかありませんが、間取りを変更しようとすれば、多額な資金を掛けてリフォームする必要があります。それだけのお金を価格に転嫁できるかどうかは、よほど慎重にならざるを得ません。

不動産売却の常識としてはリフォームはしなくてよいというのが常識です。

では、住宅の価値を知るのはどこを見ればよいのでしょうか。そこで参考になるのがホームインスペクター(住宅診断士)。中古住宅を仲介する不動産業者では、住宅診断士による評価をつけて販売する事例もよく見かけるようになりました。彼等が注目するポイントをいくつか見ていきましょう。

・外観

□ 屋根

屋根材のズレや破損、塗装の剥がれ、雨樋の破損がないか

□ 外壁や軒裏、基礎部分にクラックがないか、目地の充填材が劣化していないか

                                               

・室内

□ 建具・窓・収納

扉や窓がスムーズに開閉できるか

□ クロス・壁

はがれ、浮き、ひびはないか

□ キッチンの下

下水のにおい、漏水はないか

□ 床下

亀裂や破損、漏水、蟻道(シロアリの通り道)、カビの臭いや湿気はないか

特に外壁や床下の亀裂については、修繕をきっちりしておくことがポイントのようです。リフォームよりも外壁塗装をして第一印象をよくしておくことがよいかもしれません。

■あった方が有利な書類

中古車購入する時にメンテナンス履歴がわかる書類があった方が価値が高くなります。それと同じように、中古住宅も履歴がわかる書類がある方が価値が有利になります。リフォームや修繕をした場合には、こういった書類は残しておきましょう。

①建築確認申請書

その建物が違法建築でなく、しっかり施工業者が建築主に説明もした証拠となります。

②公庫融資の申請書

中古住宅の場合、住宅金融公庫から融資を受けている場合がほとんどだと思います。その場合、融資条件をクリアするために、当時の高い水準の仕様を守って建てられていた証拠になります。

③完了検査済証

現在ではほとんどありませんが、以前は建物が完成したら役所の完了検査を受けることをしていない住宅も少なくはなかったようです。ですから、検査済証があれば安心です。

④仕様書やいろいろな図面で10枚以上の図面がある

特に筋交いがあちこちに認められる図面があれば、強度的にも安心なことがわかります。

さらに、リフォームした場合は後で確認できるように 床下と天井に点検口があることもポイントです。これらの書類を揃えておくのは難しいかもしれませんが、リフォームなどした場合には大切に保管しておきましょう。

 
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