2017年はどのような年になるでしょうか。各分野において活躍する代表者が年頭の挨拶を行っています。

不動産業界においても各社の代表の挨拶がされており、一部はネット上に公開されています。そんな中から不動産売却に関わる情報についてまとめてみました。

今年は日の出のように明るい年になるのでしょうか?

■不動産流通を活性化させる施策が進む

まずは(公社)全国宅地建物取引業協会連合会会長 伊藤 博氏の年頭所感から。「喫緊の課題である既存住宅流通活性化対策としては、税制面で住宅や土地の所有権移転登記に係る登録免許税の軽減措置や事業用買換え特例など各種流通課税の特例が延長されました。空き家対策として本会が要望してきた所有者情報開示は、国交省にて関係省庁と協議のうえ今年度中にガイドラインが策定される見込みです。また、空き家・既存住宅活性化のため実態に則した媒介報酬規定の見直しも引き続き検討する所存です。」(抜粋)

経済活性化の一環として住宅を売却したときにかかる税制優遇は2017年度も延長されるので売却を考える人にはまずは一安心と言ったところでしょうか。所有者情報の開示にあたっては、やっとの感がありますが、ガイドラインがまとめられるようです。仲介業者による不当な売買が抑制されることになり、売る方、買う方双方に嬉しい年になりそうです。

■今年も堅調な住宅売買が続く


昨年は後半にかけて新築マンションはやや供給過剰の様相でしたが、2017年の住宅流通市場はどう動くのでしょうか。

「既存住宅流通市場は、レインズの成約件数が過去最高を更新するなど、堅調に推移している。本年も、低金利や税制等の政策効果にも支えられ、高水準な取引が続くと期待している。」(一部抜粋)((一社)不動産流通経営協会理事長 田中俊和氏)

政府の後押しも受けて、今年も市場は活発に動き、特に中古マンションにおいては割安感も出て、堅調に続くと予想しています。

一方、中古住宅に懸念を示す意見もあります。

「住宅政策上、空き家問題が大きな課題となっておりますが、空き家数820万戸にのみ主眼が置かれ、新築不要との意見も散見されます。簡単な手入れで利活用可能な空き家は、おのずと絞られかなり限定的であると推定されます。老朽化・腐朽が進みリフォームによる更新が不可能な場合は、計画的な解体・撤去を推進し更地にする必要があります。」(一部抜粋)((一社)全国住宅産業協会会長 神山和郎氏)

中古住宅といえども、その状態によっては新しく供給されるべき住宅は多いとの指摘です。ただ、古民家の場合、建てられた年代や、工法によっては上質な状態を保っていることもあり、一概に古い住宅はダメともいえません。個々の住宅については、査定してもらうことが肝心なことです。

地方における資金援助等も、充実して行われるようで、地域の実情に合わせた住まいのあり方として中古住宅のニーズもありそうです。

「少子高齢化社会における地域の住まい・まちづくりを支援する観点から、リバースモーゲージ型住宅ローンの提供支援や再開発の立ち上がり時の資金提供など、公的機関として、必要とされる住宅金融を提供しております。今年は、地域と連携して子育て世帯の住宅取得を金融面で支援する新たな制度を創設し、積極的に取り組んでまいります。」(一部抜粋)((独)住宅金融支援機構理事長 加藤利男氏)

2017年は世界的に変化の多い予想がなされる中、日本だけが安部安定政権を維持していきそうです。都市作りや空き家問題も引き続き政策が継続していくものと考えられ、不動産売却にあたっては、地域のニーズに合ったものであれば、かなり有利に販売できる可能性があります。

 
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