2017年もお正月気分も抜けて、最も寒くなる寒入りとなりました。
田舎の両親も亡くなって久しく地域とは交流がなく、そろそろ実家を売却しようかと考えている人もいるかもしれません。
最近は田舎暮らしにあこがれる需要はあると聞きますが、実際はどうなのでしょうか。北海道を例に考えてみましょう。
こんなきれいな朝を迎えたいというニーズも増えています
■移住先として知られる北海道のニセコ地域
観光地として不動産売買が活発になっている北海道のニセコ地域。この地域は移住先としても先進地域として知られています。ジャガイモやアスパラの生産地で、冬はスキー場、夏は雄大な自然が楽しめる観光スポットがたくさんあります。
北海道の市町村等では、移住促進の施策として「北海道体験移住「ちょっと暮らし」」が推進されています。
「ちょっと暮らし」とは移住や二地域居住等を希望している人に、生活に必要な家具や家電が備え付けられた住宅等に一定期間、住んでもらい、その地域での生活を体験するもので、本格的移住の前段階としてのお試しと位置づけられています。
提供される住宅には、空き家のほか、廃校を機に使用されなくなった教員住宅等既存の住居を活用しているものなどがあります。
2006年から始まったこの事業は、2013年度には、2,264人が利用し、過去最高を記録しました。平均滞在日数は継続して20日を超えており、実際に移住を考える人のニーズをとらえているといえます。地方としては珍しく、海外からの移住世帯が多いのも特徴で、ニセコ町では人口1.5%、世帯では7.8%(2018年11月現在)の比率で外国人が定住しています。
■長期滞在型移住に空き家活用する自治体が増えている
北海道ではニセコの他にも北海道全体で「ちょっと暮らし」の企画が実施されており、根室などでも好評を得ているようです。
また、ニセコ地域のように、外国人の長期滞在を目的とした空き家利用を経済活性化に活用しようと、経済特区を指定し、積極的に受け入れる制度もできています。具体的にこのとっくに指定されているのは、首都圏の他、京都府、大阪府、兵庫県、沖縄県、兵庫養父市となっています。
他の地域でも移住に関する支援は広がっており、柳田國男で有名な岩手県遠野市など、空き家活用として長期滞在型施設の提供を行っています。この動きは1つの成功例として今後も普及していくと思われます。
さらに、空き家を活用した移住に対する支援は、賃貸した物件で住宅改修事業を行った場合にリフォーム代金を一部補助(静岡)、転入してから1年未満に中古住宅を購入し、その売買契約から1年未満に改築する・認定後直ちに改築工事できる移住者に対して,リフォーム代の一部を補助(石川県)など、空き家バンクと連動して様々な支援がされています。
田舎に空き家を持っている人は、まずは地元の行政に相談して、空き家バンクに登録することから始めてはいかがでしょう。
また、地元の古民家専門に扱う不動産業者もあります。すでに移住者が多い地域では、こういった不動産業者を仲介するのもより高く売買するポイントになってきます。特に、北海道や、別荘地需要の多い長野県などでは活発に動いているようです。