2016年、不動産業界にとってはまずまずの年ではなかったかと思います。景気は今ひとつ盛り上がりに欠けましたが、住宅地の路線価は8年ぶりに上昇、特に都市部での価格上昇が顕著に認められました。来年はアメリカ大統領にいよいよトランプ氏が就任、ヨーロッパではドイツの議会総選挙など不安材料が目白押しですが、日本の景気だけはもう少しステップアップして欲しいところです。

さて、2017年以降、不動産業界はどう動いていくのでしょうか。その動きとともに、不動産売却にあたってどんな業者を選べばよいのでしょうか、みていきましょう。

仲介手数料も不動産業者を選ぶ条件の1つ

■2017年の不動産市況はどうなる?


2017年の不動産市場はどう動いていくのでしょうか。2016年の市況はまずまずの状況でしたが、後半に向けてマンションの需要はやや在庫が上積みされてきたようです。価格も高止まり感があり、特に首都圏においては顕著に表われてきています。新築マンションが供給過剰になると、お得感で売れていた中古マンションにしわ寄せがくるので、該当する地域の中古マンションの流通にも悪い影響が出ます。

気になることがもう一つ、金利の問題です。最近の流れは超低金利で、住宅ローンを組むにも割合に組みやすい環境にありました。2017年以降もこの低金利政策はしばらく続きますが、そろそろ出口戦略を考えるべき所まできています。むしろ金利をあげる状況にならなければ、日本経済は長く不景気が続くことになります。そこで、今まで高価格帯のマンションを購入したいと考えていた人も、今後の金利を考えると、もう1ランク価格帯を下げた物件に向いていくことも予想されます。逆にそうなれば、中古のマンションにも少しはよい傾向になっていくと思われます。

2017年は、全体的に不透明感があり、不動産業界にとっては曇り一時雨といった景況感が想像されます。

■不動産売却には仲介手数料が低い所を選ぶ

 少し長い目で見ていくと、人口の減少が不動産業界の成長に影を落とし始めています。厚生労働省が発表した2015年の出生数は約100万人で、少子化が進んだ母親が出生年齢になってきており、今後もそれほど出生数の増加に期待はできません。

このような状況から、仲介手数料は値下がり傾向にあります。特に在庫が目立ち始めている都市部においては少しでも契約を成立させようと、仲介手数料の値引き競争になっているような状況もみられるようです。

仲介手数料は上限が法律で決まっており、

(売買価格(税抜)×3%+6万円※)×消費税1.08=仲介手数料上限額

で決められます。

地方ではまだまだそのような状況にはなっていませんが、大手が都市部の手数料を下げるとこの動きは少しずつ地方にも波及していくかもしれません。

特に都市部で不動産業者を選ぶときは、仲介手数料も気にしてみましょう。買う側にとっては仲介手数料が安い方が出費が少ないですし、不動産業者も少しでも売り上げを伸ばそうと積極的な施策をとっているはずです。同じ条件であれば、仲介手数料が安い業者に依頼した方が早く売れる可能性は高いでしょう。

ただ、余りにも安い業者はやはり信用に欠ける業者です。他の条件もしっかり吟味して決めることは当然の話です。

 
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