東京など大都市圏では、シェアハウスが人気です。不動産投資を考えている人の間にも、入居する人の回転数が早く、確実な家賃収入が見込めるため、人気の投資先になっています。
広い間取りの家を売却しようと考えている人は、シェアハウスとしての利用も考えた売却も候補になります。
都心で人気のシェアハウス
■東京でのシェアハウスの需要は高い
2011年の東日本大震災以来、都会で1人暮らしをすることに対する不安感が拡がり、身近につながりを感じることのできるシェアハウスの人気が高まってきました。シェアハウスはキッチンやトイレが共有でも、昔のアパートと違い、同居人同士が交流しやすいことが特徴です。共用スペースを簡易オフィスやちょっとしたイベント会場として使っている事例もあり、シェアハウスごとで特徴があります。
国土交通省が2014年に公表した調査によれば、連帯保証人等が不要など、手続きが簡単なことも人気の理由のようです。また、2年未満で退去している人が8割ほどあり、結婚などを機会に転居する事例が多いこともわかってきました。
貸し主のほうからみると、短い期間で入居者が退去することや、キッチン等の共有スペースがあるために個別に用意する必要がないことから、同じ人数に貸すことを考えると、固定施設の修繕費が割安となり、家賃収入も比較的安定することがメリットになってきます。このため、運営事業者もこの15年余りで20倍の数になったと、報告しています。
東京都区部ではシェアハウスはやや過剰気味になってきていますが、それでも中古マンション流通は活発で、神奈川県等の首都圏や大阪府でも緩やかな伸びを続けています。
■シェアハウスとしての売却には業者を選べ
シェアハウスとしての売却を考えるときは、まず需要を考えなければいけません。都心部に需要は多いのは確かですが、その地域で他にも同じような物件があり、売れにくいこともあります。また、地方の田舎でもそれなりの需要が見込める地位もあります。インターネットで検索すると、シェアハウスの相場をある程度知ることができるので、事前に調べてみましょう。
売却するには、シェアハウスを運営する業者に掛け合ってみるのも1つの方法ですが、悪徳業者につかまらないように注意しましょう。
不動産業者によっては一通りの説明しかなく、一方的に自社のメリットばかりを話す場合もあるようです。不正に利益を得ようとしているわけではないので、悪徳とまでは言いませんが、経験の少ない営業マンが詳しいデータも無しに話を始めるのはよい業者とはいえません。
ベテランであっても、顧客の話を詳しく聞いてくれる人でないと、後々問題が発生した場合の対処も違ってきます。こちらが質問したことに丁寧に説明してくれるかどうかもポイントになってきます。「こんな質問をして恥ずかしくないか」などと考えずに、しっかり条件について不明な点は聞いておきましょう。
広い部屋がいくつかあるような一戸建てやマンションを持っている人は、シェアハウスの需要に合わせた売却で、思ったより高く売れるかもしれません。該当エリアなら検討してみる価値はありそうです。