小規模宅地等の特例とは、同居していた相続人が相続税によって生活を圧迫されることの無いよう、
- 状況によっては土地の評価額を減額するという制度です。
どのような要件を満たすことが必要なのか具体的に確認してみましょう。
残された親が病気や認知症になったら?
結婚を機に両親のもとから離れ新しい家族とともに暮らしていた人が、
父親が亡くなった後母親が病気になって家族とともに実家に移り住んだというようなケースでは、
小規模宅地等の特例が受けられます。
- ■ 母親が亡くなるまで家族そろって母親の介護をした
- ■ 母親が病気になった為に一時的に入院させたが、母親がいつでも家に戻って来られるような状態にしてあった
このようなケースでは、たとえ病院で亡くなったとしても
母親が相続人家族と一緒に暮らしていたことになるので、特例の要件を満たしていることになります。
平成27年から認められるようになった要件
■ 母親に認知症が発症した為に施設に入居させ、
もう家には戻ってこないものとして母親の荷物などは処分していた。
以前は、このようなケースでは小規模宅地等の特例が認められていませんでした。
母親が施設に入居してもいつでも戻ってこられる状態にしておくことが必要だったのですが、
法改正によって、条件によっては認められることになりました。
≪特例が認められる為に必要な条件≫
母親が要介護認定・要支援認定を受けていた。
→ 要介護認定 生活全般に介護が必要であり、介護なしには日常生活を送ることができない
~部分的に介護が必要までを状態に合わせて5段階に認定した公的な基準
入居していた施設が老人福祉法、介護保険法に規定されている施設だった。
→ 介護認定の段階に応じで、入居できる施設の種類が異なります。
要介護の段階が高い(3~5)場合には、
介護型ケアハウス、特別養護老人ホーム、老人保健施設、介護容量型医療施設などに入居します。
入居していた施設が高齢者の居住の安定確保に関する法律に規定されているサービス付き高齢者向け住宅だった。
→ 要支援認定~要介護認定3までを受けていた場合に、
住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅に入居します。
本人や家族が望まなくても
自宅では生活ができなくなった場合、
施設に入居することになり
同居が続けられなくなってしまいます。
そのようなケースでは、相続の際に
小規模宅地等の特例を受けることができます。