最近、諸々の雑誌や書籍で三田会特集が組まれているのを目にする。
書籍…『慶應三田会―組織とその全貌』
週刊ダイヤモンド 2016年 5/28 号 [雑誌] (慶應三田会 学閥の王者)
筆者も公認会計士三田会、税理士三田会に所属しているが、更に不動産三田会にも所属している。
が、これだけだと、何をしているかわからない。
そこで、他のコラムニストとは毛色を変え、不動産三田会について、どんな組織か、
筆者なりの私見を交えて書いてみよう。
不動産三田会は、確か昭和末期創設と聞いたが、基本的には慶応出身の不動産業者間の情報のやりとりの組織である。
要するに『こんな不動産あるのだけど買う人いない?』とか、
『こういう不動産を買いたい人がいるのだけど、誰かよい物件ない?』という感じの情報がやりとりされる。
ちなみに、このやりとりは毎月一度程度の月例会で、色々な不動産業者が色々なチラシを並べて告知をする。
月例会のあとは懇親会という宴会がある。また、若手限定の別だての宴会や、諸々のイベントもあるが、
こちらは参加者は一部に限られているようだ。
更に、不動産三田会サイトの会員用掲示板でも、一般の宅建業者には流さない不動産情報のやりとりがされたり、
これは書籍で書かれていないかもしれないが、最近は不動産三田会メンバーのフェイスブックグループページもあり
ここでも諸々の告知がなされる。筆者も自分の本を書いた時に、グループページにて告知させて頂いた記憶がある。
ちなみに入会条件は既存会員一人の紹介かつ不動産に絡む業種である事で、慶応出身(中退も可)である。
もっとも、知人のつてがない場合も面接で対応している事もあるようだ。ご興味ある該当者は挑戦してもよいだろう。
筆者自身は、9年ほど前に名ばかり会計担当をしていた過去がある事もあり、数名、既存会員として紹介した事がある。
三田会での不文律は、『信頼関係の破壊』をしないことだ。
慶応という学校は不思議な学校で、卒業生というだけで仲間意識が強くなる。
逆に言うと、信頼関係を破壊する裏切り行為をすると、情報網も強いので途端に干され居づらくなる。
だからこそ、一般では流通しない情報もやりとりされるのだ。
また、礼を失する行為にも意外と厳しい…というのが印象だ。
以前、筆者も初めて会った卒業したての宅建業者の従業員から翌日電話があり『不動産情報くれ』というものだったが
これは頂けない。卒業したての若手だったので電話で説教で済ませたけれど、
いい年をした人がこれをしたら総スカンであろう。
要するに、長い目でじっくりと信頼関係を構築する組織と言える。
まあ、情報網が結構半端ない不動産業者の会合と言ってよいであろう。
要するに、中小の宅建業者が入るにはメリットのある不動産ビジネスの会合と言える。
但し、上述の背景があるから「焦らないこと」が肝要だ。
付け加えると、個人的な印象だが、幼稚舎(慶応の小学校)という三田会の核みたいな存在の方にはかなわないけれど
筆者は中等部から慶応のため、三田会の中でも割と核に近い部類だろう。
その目で見た感じだが、三田会活動はむしろ大学から入ってきた方のほうが熱心であるように感じることがある。
その一方で、高校以前から慶応の人の同士では、目に見えない絆は特に強いとも感じている。
それはどこの三田会でも言えるという気がするが、いかがであろうか。