昨年、舛添都知事(当時)の辞任に伴い、新たに小池都知事が誕生しましたね。
このため、新規の就任に伴い、今月の前半に、小池都知事の資産公開が行われました。
各種メディアによると、下記の概要らしいです。
・土地 967万円(うち持分1/2)
・建物 1,472万円(うち持分5/4)
・不動産や有価証券の合計は1,762万円※
※金銭信託が100万円あるらしいので、
967万円×持分1/2+1,472万円×持分4/5+100→約1,762万円らしい・・・と個人的には推定しています。
間違っていたらごめんなさい。
で、多くの方が思う疑問。
土地の価値は967万円???という点。
都内の、それも知事が住む土地です。
「冨田先生、それって安すぎじゃないの???」と思いませんか?
この点について、説明差し上げたいと思います。
土地は、固定資産税の課税標準額で計上されています。
固定資産税とは、固定資産の所有に際して課せられる税金ですが、
課税の公平の観点から土地の場合は「その土地の世間一般から見て妥当と判断される価格」を算出した上で
一定の調整をして課税標準額を算定し、これに税率を勘案して毎年の固定資産税を算定します。
で、ここがポイントなのですが、住宅の場合、細かい例外的な話〔敷地が200㎡以上の場合等〕を別として
一般的な場合ではその調整の内容が、個人の住宅地の場合は固定資産税専用の路線価(23区の通常の住宅の場合)
に基づく本来的な価格の1/6にする点です。
しかも、そもそも固定資産税専用の路線価自体も、世間一般から見た実勢の取引価格水準の7掛け(※1)という
建前ですので、結果、固定資産税課税標準額とは、
「実勢の取引価格水準×0.7以下×1/6」となっていると思われ、資産公開もこの流れに基づき
開示されているのでは・・・と個人的には推定しています。
だから、逆算すると、知事のお住まいの住宅の土地部分の実勢の取引価格に基づく価値(※2)が
算出される思いますが、いかがでしょうか。
最後にですが、個人的には、小池知事には頑張って頂きたいと思っていますし、何しろ東京の長ですので、
良いところに住む代わりに、素晴らしい都政を展開して頂きたいと、
一都民として期待している点、付記したいと思います。
※1…7掛けという建前ですが、個人的には、23区の場合はより実勢の取引価格が高いので、実態として5掛けとか6掛けの事も多いと思います。
※2…この記事の内容は限られた情報に基づく推定ですので、本当の公正価値の把握は不動産鑑定士の鑑定評価による必要があります。また、ここで具体的な公正価値額を決定する事は、情報が限られ精度が担保できない上、この文章も若干の謝礼を頂いて書いていますので業として価値を決定するとして不動産の鑑定評価に関する法律との兼ね合いが生じますため、ここでは差し控えます。