近年、結婚の晩婚化にともない40~50歳の住宅購入、特にマンション購入をする方が増えました。
しかしながら、この年代での住宅購入にはいくつかの注意点があります。
特に、資金計画の中でローンの組み方や教育資金、老後資金の捻出など、サラリーマン人生の後半でライフイベントが重なるという実態があります。
ここでは無理な資金計画を組んで、将来の生活を脅かさないような住宅購入はどうすればいいのでしょうか?、
今回は、特にマンションに関する購入術をお金の面から考えてみましょう。
晩婚カップルの住宅ローンの組み方とは?
晩婚カップルの場合は住宅取得年齢が遅くなり、ローンの組み方次第では教育資金や老後の生活資金が心配です。
お金のことは一人ひとり違い、重要なことは「わが家ではどうだろうか?」と考えることで、「わが家に最適な条件はどれか?」を考えることが必要になります。
そこで、マンションを購入しようと思っている晩婚カップルにとっては、住宅ローンの組み方は非常に重要なポイントです。
そのポイントは次のような点にあります。
まず、老後に負担を残さない返済期間の設定や、将来の金利変動に振り回されない金利選択。
そして、定年後の生活の収入面の実態を知ること。
最後に、晩婚カップルに適したマンション。
などが考えられます。
そこで、こうしたポイントを順次、詳しくみて行きましょう。
老後に負担を残さない返済期間の設定は?
マンション購入には住宅ローンが必要不可欠な存在ですが、この住宅ローン、ローンの返済期間は昔、25年程度が最長だった時代がありました。
それが、いつの間にか30年、35年と徐々に長期化しており、最近では50年という返済期間さえ設定可能な時代になりました。
長期返済をするメリットは、月々の返済金が多額のローンを組んでも負担が少なくて済みます。
そのため、若年層でも住宅購入はしやすい時代といえます。
さて、この住宅ローン、晩婚カップルでば、いったい何歳ぐらいで完済すべきなのでしょうか?
よく言われるのは、定年時に完済できれば理想的といわれますが、40歳を過ぎたころにローンを借りて定年時に完済するとなればなかなか至難の業。
最近では、定年も65歳という時代なってきましたが、60歳でいったん退職扱いとし、再度、雇用者側が場合も多く、また、現在の収入は現役の頃の給与の半分というケースをよく耳にします。
こうした背景から、晩婚カップルにとってはどのくらいの返済期間が妥当なのでしょうか?
1つの目安として考えられるのは、先ほどの65歳を基準としておくことでしょう。
つまり、65歳-ローン返済開始の年齢という考え方です。
たとえば、40歳であれば65歳-40歳=25年、35歳であれば65歳-35歳=30年ということになります。
また、金利は現在、超低金利ですがローン返済額の試算には年2%ぐらいで計算しておくことが重要です。
特に、変動金利での返済計画は一見無理なく返済できそうに見えますが、金利上昇のリスクもあり注意が必要です。
この金利情勢が気になるようでしたら、長期固定金利のフラット35を利用されることでしょう。
将来の金利変動が気になる場合には固定金利タイプの選択
では、住宅ローンの金利はどれがお得なものなのでしょうか?
各金融機関では優遇金利を提示してローンを勧めてきますが、本当に優遇な金利なのかわかりません
ローン商品の選び方には金利が多く左右しますが、金利は返済期間に対して割安な商品を選ぶようにするいいでしょう。
たとえば、変動金利はかなりの低金利ですが、その金利が約束される期間はわずか6ヶ月しかありません。
7か月以降は確定していないと考えると利用するには躊躇してしまいます。
そう考えると、返済期間の全期間固定金利は安心でお得な金利ともいえます。
こうしたことから、ローンの商品の選択にはその金利を約束する期間に対して割安かどうか、あるいは優遇幅が大きいかを比較しながらの選択が必要でしょう。
住宅ローンの組み方にミックスプランを活用
住宅ローンの組み方の1つに長期固定金利と短期固定金利の商品を組み合わせるなど、金利リスクのある変動金利1本のローンの組み方ではなく、2本立てのローンを組んで60歳以降の返済額を少なくするなどの方法があります。
この数年、10年固定金利をはじめ、期間限定の固定金利の商品は変動金利並みになる場合も散見されます。
したがって、無理に変動金利をミックスするのではなく、たとえば10年固定と30年固定というような固定金利消商品のミックスのローンでの試算は必要です。
元金の割合も借り入れ総額を半々でという形ではなく、1本は早めに完済できるようにするなど、その活用法がポイントにはなります。
晩婚カップルには定年時までにいかにローンを完済していくかということが重要になります。
そうしておかないと、将来の教育資金や老後資金を確保できにくくなるというものがあります
。
定年後の生活は収入面でどんなものなのか?
結婚直後のカップルにとって定年後の生活はなかなか想像しにくいものですが、いざマンションを買おうとした場合には、収入面での想定はしておくことが必要です。
60歳以降は収入のダウンが大きい
ここで今の高齢者の収支はいったいどんなものなのでしょうか?
総務省の家計調査によれば、65歳以降の世帯平均収入は概ね年250万円で、夫婦の年金収入が主だったものになります。
それに比べて支出は、年間320万円程度で、単なる収支計算をすると70万円ほど不足している状況です。
つまり、それだけ定年後にはお金がかかるということを認識しておかなくてはなりません。
したがって、長期返済、たとえば完済が70歳というような年齢では、60歳以降の収入では毎月の返済は難しいということが想像できます。
そうなると、ローンの契約の際には最長でも65歳完済を目指すべきかと思います。
60歳時のローン残高をチェックしておこう
いっけん、無理なく返済できそうな感じでも、いざ定年の時期60歳ぐらいでいくらぐらいは残っているのか、早めに対応した方がいいでしぃう。
住宅ローンはどうしても最長に組む場合もありますが、返済中にできるだけ計画的に繰り上げ返済をするなどして60歳完済を目指すようにしていくことです。
また、退職金をあてにした完済の計画はできれば避けた方がいいでしょう。
退職金をあてにしてしまうと、長期の返済での住宅ローンを組んだり多額の借り入れをしてしまう場合も多く注意が必要です。
できれば、退職金は老後資金に充てる格好で考えておく方がいいでしょう。
晩婚カップルに適したマンション購入とは?
次に晩婚カップルに向いているというマンションはいったいどんなものでしょうか?
以下の点を購入の際には注意してみておくことでしょう。
とりあえず子どもが生まれるまでという住まい方
都内では賃貸住宅の賃料も高いため、結婚を機にマンションを購入しようという考え方があります。
確かに月10万円も家賃を払うなら買った方がいいと考えるのも必然でしょう。
そう考えると、夫婦二人で住むという想定で物件選びをすると価格的には負担が少なくて済む場合があります。
無理に3LDKを買おうというのではなく、2LDKであれば夫婦二人でも十分なスペースが確保できます。
もちろん、面積比例する管理費や修繕積立金を少なくて済むので、毎月の住宅に対する固定費は負担が楽であり将来のための貯金も可能です。
この時期は共働きも想定されますので、勤務先に近いマンションも選択できる可能性があります。
数年後に子どもさんが生まれたりすれば、幼稚園や小学校に上がる前に新たな住処を探して住み替えするという流れになります。
半永久的な住まい方をしたい
先ほどとは逆に終の棲家的なマンションを選んで住みたいという考え方もあります。
どうせ買うなら半永久的に住めるマンションをと思う場合ですね。
同じ住まいに長く住むという考え方であれば、終の棲家のマンションをさがしていくことになります。
その場合、特に立地に関しては大きなポイントになります。
駅に近い、医療関係に近い、買い物に便利、高低差のない場所など、長期的な住まいとしての判断基準を持ってマンション探しをする必要があります。
また、建物自体の性能も十分に吟味する必要があります。
耐震性や耐久性、断熱性など、近年のマンションでは当たり前の時代になりましたので、パンフレットや販売センターなどで確認しておくことをお勧めします。
晩婚化が進む昨今、無理なく住宅ローンを利用して、できるだけ65歳でローン完済できるようなマンション購入をしてはと思います。