勧められるがままに買ってしまった人たちの処方箋
誘うだけ誘っておいて出口はなかなか教えてもらえない不動産投資の世界。
サラリーマンに不動産投資を副業として勧めるがそう簡単に資産形成ができないのが実情である。
では、これまでに勧められるがままに買ってしまった人たちには処方箋があるのだろうか。
何年か前に投資用不動産を購入した上場企業のサラリーマン。
電話勧誘で買ってしまったが、年収が1,000万円以上あり不動産投資での所得税還付の恩恵はここ数年前まで受けていた。
そんな状況で相談に来られ、そろそろ定年も近いし、税金の還付効果も薄らぎ資産の整理をして欲しいとのことで投資マンション2戸の売却を勧めることになった。
実際に現地調査や市況を調べて査定金額を算出していき、当面は高めの売値で様子を見ることにした。
その間に賃貸借契約の見直しやローンの金利の値下げ交渉を同時進行することを提案。
まず、賃貸借契約はサブリースであったために早期に解約の申し出をすることにした。
それにより、収入は月に1万円ほど多くなった。
サブリースの解約は通常、数か月前に解約希望の通告をサブリース会社に行う必要がある。
そのため、早めに対処しておくべきで、物件の売却までには解約しておく方が望ましい。
ただ、昨今の空室率の問題もあり、一概にサブリースを解約するのには個々の物件の立地や賃料などの賃貸条件を精査しておかないといけない。
このあたりの精査はやはりプロにお願いしないと見方を誤る可能性があるので注意が必要だろう。
次に、ローンの金利は下げられる条件を探る必要がある。
現在、借り入れ中の金融機関に金利交渉をする必要もあるだろうし、3%以上の金利で融資を受けている物件は借り換えも視野に入れておく必要がある。特に、先日も日銀から発表があったが、マイナス金利の影響で不動産投資に対する金融機関の貸出はバブル期以上で依然、積極的である。新規借入だけではなく、既存のローン借り換えも行う銀行も出始めている。
したがって、高い金利の融資金はこの機会に借り換えを検討しておくべきだろう。
金利が1%違えば収支は改善する場合もある。
このように、売却が決まるまでの間は収支改善の作業をしておくことで、多少の売却期間がかかっても高値で売却できるような出口戦略は考えておくべきであろう。
勧められるがままに買ってしまった人たちができる出口戦略は、まずは今の所有物件を見直しすることだ。
収支やローンの残額、管理費や修繕費用、税金などを精査をし、例えば、収支改善にサブリースや管理委託の契約から自主管理、もしくは管理委託費用の安価な会社への変更、ローンの金利見直しで金利交渉や借り換えというような作業は必要不可欠である。
もし、自分ではなかなか整理がつかずわからないというのであれば、プロの力を借りて早々に出口戦略を立てておくことだろう。
来たるべき売却時に備えるように常に心がけ、いつでも好条件で売れる条件を日々整えておくことが重要であろう。
前述のサラリーマンの方は、最終的には当方が査定した額と実際の売買価格に大きな誤差もなく売却できた。
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