不動産の売却(不動産の売主になること)は、人生で滅多にない経験です。戸惑うのは当然。
普段手にしたことのない金額のお金が動くことで興奮状態になってしまったり、売買を仲介する不動産業者の商慣習にカルチャーショックを受けたりと、不動産売却は「未経験のことをする」「わからないことをする」ことによる不安と緊張の連続です。
その不安と緊張を少しでも和らげるために、不動産を売ろうと思ったときにすぐに始められる、情報・お金・健康面の準備についてお話します。

      • ●不動産の価格形成に関する情報を集める。
        まず、身近なところで簡単に手に入る情報の入手をおすすめします。
        不動産チラシや広告(週末の新聞折り込みをチェックするとよい。)、
        フリーペーパーやポスティングのチラシなどをしばらくの間心がけて見るようにして、
        どの地域でどのくらいの値段で不動産が販売されているのかをつかみます。
        それから、3月の公示価格7月1日の路線価が発表になった翌日の新聞は、
        捨てずに取っておいた方がよいでしょう。
        不動産の価格の相場や地域による価格の違いを知る上で、とても参考になります。
        情報を集めることで、自分が売りたい不動産の「売却可能な希望価格」を
        漠然ながら描くことができるようになります。

●不動産売却諸費用を準備し、売却益から納税資金を確保する。
不動産売却には、不動産業者に支払う仲介手数料、登記費用、印紙代など費用がかかります。
これらは現金一括払いが原則。売却諸費用に備えて現金の準備が必要です。
費用として備えているお金も、金融商品によっては解約や現金化に時間がかかるものがあります。売却の申込時には支払いができるように、現金化は計画的に進めてください。
不動産の売却益によっては、納税の必要があります。
また、納税額によっては、その翌年1年間の社会保険料が上昇することがあります。
納税や社会保険料の納付は確定申告を経てからになりますが、心づもりとして、
売却益は全額をすぐに使ってしまわず、納税資金や翌年の社会保険料上昇分に備えて
預金口座等で保管を行ってください。

●健康と気力の維持と、売却後3年間は元気で生きる。
不動産の売主には、判断能力、すべての手続きを全うする責任能力、気力体力が求められます。
気力体力面では、不動産業者や購入を検討して内覧に来るお客様、実際に買主になる人など、何人もの初対面の人と印象良くつき合わなくてはなりません。それができるかどうか。
判断力・行為能力面では、不動産売買契約書に、内容を確認した上で署名・押印がきちんとできること、物件を引き渡すこと、
売却後に確定申告と納税を済ませることをやり遂げられるかどうか。
とくに、売却益にかかる住民税の納付は、確定申告を行った年の6月から翌年の5月までに及びます。
「不動産売却後、3年間は健康で生存していられる状況」であれば、心配はいりません。

もしも、不動産を売却した売主が、売却した年のうちに亡くなってしまった場合はどうしたらよいのでしょうか。
その場合は、売主の相続人が被相続人(売主)の死亡を知ってから4か月以内に、
1月1日から死亡日までの所得について「準確定申告」をします。
被相続人(売主)の住所地の税務署に申告書や不動産売却に関する書類を提出して、納税を行います。

不動産売却は、ライフイベントとしては大きなものです。金額も大きく、時間も準備も必要。抱えるストレスも半端ではありません。不動産売却に向けた心づもりで行動することや、親切に相談に乗ってくれる専門家を活用することで、不安はだいぶ解消されます。
まずは、気になる不動産売却に関する用語やキーワードから検索を始めてみてはいかがでしょうか。

 
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