前回の記事は、
でした。
その限定チラシは、
決してほめられた行為ではないのですが、
宅建免許が取り消されるほどの、
行為ではありません。
しかし、このような限定チラシをきっかけに、
宅建免許が実際に取り消された事例もあります。
以前、業界の新聞で読んだのですが、
普通の人が読み解くには難しい内容です。
今回の内容は、
その記事を読み解いてきます。
では、どうぞ。
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以下、内容の記事が業界新聞で掲載され、
その不動産会社は、
免許を取り消されたそうです。
『物件の購入希望者がいないにもかかわらず、
希望者がいると不実のことを告げて媒介契約を締結。
その後、転売差益を取得することを目的として代金を減額させた上で、
取引態様を変更し、自ら買主として売買契約を締結した』
一般の方にイマイチ伝わらないと思うので、
ざっくりと以下に要約するとこうなります。
『実際にはお客さんなどいないのに、
「当社にはお客さんがいます!だからお任せ下さい!」
とウソを言って売却の依頼を受けました。
(*きっかけは限定チラシ)
その後お客さんがいると言ったにも関わらず、
「紹介してみましたが、
ちょっと希望の間取りとは違うそうなんです」
「バルコニーの向きが南という希望です」
「残念ですが一般の方々にも広く紹介していきますね」
と適当な理由をつけて断られたと伝えます。
その後、
「お問い合わせの数も少なくて案内までいきません」
と売れないと伝え、
「このままだといつまで経っても売れません。
そろそろ売り出し価格を見直しましょう」
と、正当な販売活動を行っていたかははなはだ疑問です。
徐々に販売価格を下げていきましたが、
それでも中々売れません。
売主さんが売れずに困ってきます。
物件が売れないのは、
自身を否定されたようで、
精神的にシンドイのです。
そんな売主さんが弱ってきた時を見計らって、
「ここまで金額を下げても売れないとなれば、
需要があまりないのかもしれません。
こうなってくるとさらに金額を下げていくしかありません。
・・・だけどそれだとお客さんも気の毒ですし、
困ってしまいますよね?
そこで今回は特別に!
お客さんを助けると思って、
当社が提示する金額でご了解頂けるのであれば、
その金額で当社が買わせて頂きますが、
いかがですか?特別ですよ!」
と、仲介業者だったはずが、
いつの間にか
「買主」
になりました(*取引態様を変更)。
ここまで不動産業者のいいなりになっていた売主さんは、
「これ以上安くなってしまうなら・・・買ってもらえるんなら・・・」
ということで、
言い値で売買契約を結びました』
といった内容です。
弱り切った売主さんにとって、
「うちで買いますよ」
と言った不動産会社は、
後光が差した神様に見えたでしょう。
「転売差益を取得することを目的として」
とありますから、
その会社は言い値で買った不動産を、
後日、正当な価格で売りに出し、
差額を手にすることが当初からの目的だったのでしょう。
怖いですね。
良い取引は良い不動産業者選びから!
というのは本当です。
気をつけましょう。