アパート経営は想定空室率を甘く見ないこと
不動産投資と言っても色々ありますが、ここでは一つの例としてアパート経営をする場合を考えてみましょう。アパート経営をする場合、アパート一棟を購入しなくてはいけないので費用は大きくかかりますが、その代わりアパートの部屋数に応じた家賃収入が得られるところが魅力です。仮に6000万円のアパートで利回りが10%の場合、そのアパートが満室であれば単純に考えて年間600万円の家賃収入となり、10年間で元が取れる計算になりますね。
しかし、実際にはそこまで単純ではありません。例えば想定空室率として10%、固定資産税などの諸費用として15%、家賃収入から差し引くと仮定すると、年間の収入は450万円に減ります。さらに6000万円をその場で払える方は少ないと思うので、自己資金が1000万あったとすると5000万円の借入、期間20年間で金利が3%の場合で考えても年間3,327,588円の返済をしなくてはいけなくなります。すると、完済まで20年間、手元に残る金額は毎年1,172,412円という計算になります。
また、上の計算は想定空室率を10%としていますが、特にリスクとなるのはアパートの空室が増えてしまった場合です。例えば10戸のアパートであれば1戸は月々5万円の家賃で、満室時に50万円の収入ですが、半分しか埋まらなかった場合、収入も半分の25万円になってしまいます。月々の返済金額を計算すると、277,299円になるので、諸経費も含めた毎月2万円以上をどこかから補充しないといけなくなってしまいますね。
アパート経営ではこの空室をいかになくすかが大事なポイントです。常に満室な物件であることが望ましいですが、その場合は購入価格も高いことがほとんどですので、アパート経営についてよく理解し、諸所の条件をしっかりと見極めることが大切です。
戸建てでは空室の長期化がこわい!
戸建て賃貸での家賃収入を検討する場合、一般的にアパート経営に比べれば投資費用は少なく済み、損得勘定はしやすくなるかと思います。アパートの入居者は単身者が多いですが、戸建ては家族での入居である場合が多い点も魅力です。アパートよりも家賃が高く、単身者に比べれば入居期間が長い可能性が高いので、家賃収入を安定して得られるからです。
仮に6000万円で4棟の戸建てを購入した場合、月々の一棟ごとの家賃を12.5万円より高く設定できれば、前項で想定したアパートと投資金額は同じなのに利回りがより高くなりますね。
しかし一方で、空室ができてしまった場合に、収入が大幅に減ってしまうことや、次の入居者が決まるまでに長くかかってしまうケースが多いことがリスクとなります。また、入居者が退去した際にはリフォームをすることがほとんどですので、その度に高額な費用がかかります。
特に相続などですでに土地を持っている方にとっては、戸建てが良い投資方法につながるかもしれません。投資費用を少なくして1棟の戸建てから始めても良いでしょう。ただし、入居者がいない場合には家賃収入が0となってしまうことは常に念頭に置いておきましょう。
リスクだけで考えると戸建ての方が高いように感じますが、アパートには入居者の入れ替わりが早いなど戸建てには無いデメリットもあります。自分に合った投資方法を選ぶことが重要です。