こんにちは。空き家問題解決を行なっている
NPOを主催しています行政書士の谷本直久です。
日本は、毎日のように空き家問題がメディアを
賑わせていますが、外国の空き家事情はどんな
ものなのだろうか? とお考えになったことは
ありませんか?
私個人としても、このテーマについてとても
関心がありました。
そんな折、偶然にも、今月、アメリカ西海岸に
行く機会がありました。「このチャンスを活かす
しかない」と思い、この地方の空き家事情を
自分なりに調査することにいたしました。
以下、そのレポートです。
調査地点はカリフォルニア州とアリゾナ州の境
近くのニューベリースプリングスという町です。
ロサンゼルスから車で2時間くらいの場所にあります。
この地名を聞いてピンときた方は、 アメリカン
カルチャーにかなり精通している方 でしょう。
そう、有名なルート66沿いにある 「バグダッドカフェ」
のあるところです。80年代に同名の映画で世界的に
有名になったドライブインです。
到着したのは、午後4時ころでした。まだ陽は
高かったのですが、それにしても外から見ても
室内の照明が点いているように見えなかったので、
思わず「まさか閉店したのでは?」と思いました。
恐る恐るドアを開けてみると…、普通どおり営業
していました。まさか…、が外れて良かったです。
ドアを開けると、そこはアメリカンカルチャー
好きにはたまらない空気感満載の空間がありました。
世界中のルート66好きがやって来たことを示す名刺
や自分のサインをしたTシャツなどのアイテムが、
店内の壁や天井に所狭しと貼ってありました。
周辺に民家はほとんどなく、目の前を走るルート66
もほとんど車を見かけません。普通に考えればとっくに
閉店してもおかしくないのですが、映画の舞台になった
というだけで、自分が滞在した15分位の短い間に
何組かの外国人が入ってきては出て行くという感じ
でした。
それぞれが、思い思いのノスタルジーに浸り ながら。
さて、本題の空き家です。このカフェから数百m
しか離れていないところに、ガソリンスタンドを
併設しているレストランがあばら家となって放置
されていました。
地理的条件はバグダッドカフェと 全く同じなのに、
この違い…。
ここに空き家問題の原因が見えてきます。 これは特に
地方都市に当てはまるかと思いますが、 地方自治体が
空き家バンク等の仕組みを作っても 街が人を呼び込む
努力をしない限り、空き家は減らないということです。
(もちろん、民家と店舗では状況は異なると思いますが)
世界的に有名になるまでとは言いませんが、世間に
ある程度の興味や関心を 持っていただくほどのアピール
ポイントを打ち出すことがどうしても必要のようです。
このルート66沿いには、この点で努力した街がいくつも
あります。
例えば、今回訪問したセリグマン、オートマン、ウィリアムズ
といった街はそんな感じでした。
そこから街を活性化させるヒントをもらうのはどうでしょうか?