近年では多様化してきていると言われる不動産売却方法ですが、一般的には仲介不動産会社に依頼して売却する方がほとんどです。不動産売買は知識や経験が必要となることや、一生のうちにそう何度も行うことではないため、その道のプロフェッショナルである不動産会社へ依頼したほうが、不動産売買の流れがスムーズであるからと言えます。
仲介不動産会社へ依頼すると、もちろんのことですが費用が発生します。その費用が、仲介手数料です。では、どのくらいかかるのでしょうか。
仲介手数料は、売却価格によって料金が異なり、宅地建物取引業法で上限が定められています。速算式を使うと、簡単に仲介手数料が計算できて便利です。
■売却価格が200万円以下の場合
売却価格×0.05(5%)+消費税
例)売却価格が200万円なら、10万円+8,000円(消費税8%の場合)
■売却価格が200万円超400万円以下の場合
売買価格×0.04(4%)+2万円+消費税
例)売却価格が400万円なら、16万円+2万円+1万4,400円(消費税8%の場合)
■【売却価格が400万円超の場合
売買価格×0.03(3%)+6万円+消費税
例)売却価格が1,000万円なら、30万円+6万円+2万8,800円(消費税8%の場合)
仲介手数料はあくまで成功報酬であり、売買契約が成立した場合にのみ支払います。また、宅地建物取引業法で定められているのはあくまで上限であるため、上限を超えなければ法律上は問題ありません。そのため、仲介不動産会社によって料金が異なり、上限より低価格で設定していたり、仲介手数料無料であったりする場合があり、実際に近年ではそのような仲介不動産会社が増えています。
宅地建物取引業法のもとで業務を行っている業者がほとんどですが、なかには悪徳業者も少なくありません。何も知らないと考えて上限を超える仲介手数料を提示してきたり、上限の金額を法律で一律に定められた定額手数料と説明してきたりする場合があれば、依頼することを考え直したほうが安全です。通常は仲介手数料しか支払いませんが、それ以外の広告費などを請求してきた場合も同じことが言えます。
信頼できる仲介不動産会社を見分ける手段にもなりますので、仲介手数料の正しい知識を事前に知っておきましょう。