手持ちの土地をなるべく高く売却したいとき、土地の見栄えを良くして魅力的な商品にしなければと考える方が少なくないでしょう。見栄えを良くする作業には、雑草などの不要なものを処理し、古い家がある場合は解体して更地にするなどがあります。
では、売却したい土地に古い家が建ててある場合、必ずしも解体して更地にしなければならないのでしょうか。
答えは、「そうとは言えない」です。
古い家を解体して更地にした場合、もちろん売り手側が解体費用を負担します。買い手側は、更地の状態の土地に建設する建物を自由に想像することになるでしょう。設計図だけを見ても、実際に建物が建ってみないことには、広さや圧迫感などが感じられません。
古い家をそのままにした場合、古い家をどうするかは買い手側が決めます。古い家をそのまま住居にしたり、リフォームやリノベーションしたり、新しく家を建てたりすることになるでしょう。もちろん解体費用は買い手側が負担します。
初めから解体を考えている買い手の場合は、土地の価格が下がる可能性がありますが、更地にすれば売り手側に解体費用がかかると考えると同じことです。その点、古い家を解体せずに済む場合は、解体費用がどちらにもかかりません。
また、古い家をそのままにしておくと、解体するかしないかに関わらず、色々な意味で参考になります。近隣との距離感や圧迫感、家の大きさや間取りの広さ、実際の光の差し加減など、古い家から得られる情報は多いです。
一戸建てやマンションなどに比べ、土地のみの売却が難しいとされている理由は、実物が見られないためとも言われています。古い家が建っていれば、買い手が様々なイメージができたり、買い手の幅を広げたりでき、結果的に土地を高く売却できる可能性が生まれるのです。
土地には、相場はありますが定価はありません。その土地一つ一つで条件が異なるため、同じような土地でも売却額が違います。地域によって特性や顧客層などが異なりますので、古い家をそのままで売却したほうが良いか、解体して更地にしてから売るほうが良いか、地域のニーズに合わせて依頼する不動産会社としっかり相談して決めるようにしましょう。