不動産取引で「事故物件」と聞くと、何を連想するでしょうか?まず、思いつくのが「人が殺された」「人が自殺した」というところでしょう。しかし、それだけではありません。今回は、事故物件の種類や回避する方法についてご紹介します。
事故物件って何?
実は、事故物件とはコレだ…という明確な定義が決まっているわけではありません。一般的に、「知っていたなら買わなかっただろう」と思われる物件に対して使用するコトバなのです。
では、どういう物件が「知っていたなら買わなかっただろう」となるのでしょうか?大きくわけると、ふたつに分類されるようです。ひとつ目が、過去の事実について「心理的」な嫌悪をもよおす場合です。たとえば、殺人や自殺があった場合になります。ふたつ目が、建物自体の「物理的」な欠陥です。たとえば、床下にシロアリが発生していたり雨もりがしたりする場合になります。
その他にも、お隣に迷惑行為をする者がいたり、暴力団事務所があったりする場合も事故物件といえますし、周辺に火葬場や産業廃棄物処理場がある場合も事故物件といえるでしょう。
事故物件を回避する方法
不動産会社は、告知を義務付けられています。知っている事実を購入希望者に告げなければならないのです。したがって、担当者に「事故物件的なところはないのでしょうか?」と聞くのが事故物件を回避するための手っ取り早い方法といえます。
ただし、シロアリや雨もりのような物理的な欠陥であれば、告知義務を適用しやすいのですが、殺人や自殺のような心理的な欠陥になると適用しにくい場合があります。たとえば、時期的なものです。「1カ月まえに人が殺された」のと、「100年前に人が殺された」のでは、受け取り方も異なるでしょう。あくまで心理的なものなので、どこで線を引くかが難しいのです。
事故物件とは、精神的・物理的な欠陥を持つ物件の総称です。事故物件を購入しないためには、購入前に不動産の重要な内容を説明する「重要事項説明」のときに事故物件であるか否かの確認をすることがポイントになります。