「長屋」と聞くと、古いイメージをもたれるのではないでしょうか?江戸時代あたりの平屋が連なった借家を想像する方が多いと思います。ところが、その長屋が「重層長屋」という名称でオシャレな賃貸物件として生まれ変わっているのです。
重層長屋は共同住宅ではありません
重層長屋も賃貸物件なのですが、アパートや賃貸マンションのような共同住宅ではありません。共同住宅とは、住民が共用の階段や通路を使って出入りするのですが、重層長屋の場合出入り口が別々になっているのです。つまり、重層長屋には共用の階段や通路が必要ありません。
つまり、重層長屋と共同住宅は建物の構造が異なるのです。この構造の違いが重層長屋のメリットであるといわれます。なぜなら共同住宅の場合、たくさんの人が一緒に暮らす建物なので、建築基準法では「特殊建築物」という名称で厳しく規制されているからです。しかし重層長屋の場合、一緒に暮らすとまではいかないので規制が厳しくありません。
低コストで建築できる
たとえば、共同住宅であれば燃えにくい耐火建築物にしなければならないところを、重層長屋であれば耐火建築物にする必要がないような場合があります。そのため、重層長屋のほうが建材のコストを下げることができるのです。
土地の有効活用ができる
共同住宅ですと、建てられない敷地でも重層長屋であれば建てられるケースもあります。具体的には入り口が狭い通路で奥に広いスペースがある「路地状敷地」の場合に、重層長屋だと通路の幅が2m以上で奥のスペースに建築することができるのが原則です。しかし共同住宅であれば、災害からの避難のため通路の幅が2m以上あっても建てられない場合が多いのです。
共同住宅を建てたいと思っていたが、通路が狭いため建築不可とされていた敷地に、重層長屋の場合だと建築可能になるかもしれません。遊ばせていた土地の有効活用ができるのです。
不動産投資を考えるときに、低コストで建築でき、かつ土地の有効活用のできる重層長屋は魅力的な物件であるといえるでしょう。