戸建てやマンションを売りにだすには、さまざまな理由があるようです。理由によって売却のために必要な考え方や優先することがらも変わってきます。今回は、不動産の売却理由と基本的な対策についてご紹介しましょう。
一般的には買い替えのため
やはり、買い替えのために売却するケースが多いようです。結婚を機にマンションを購入したが、その後子どもの成長により部屋数がたりなくなるようなライフスタイルの変化に応じた買い替えです。
買い替えの場合には、現在住んでいるマンションの売却の時期と新しいマンションを購入する時期を考慮しなければなりません。たとえば、購入したマンションが建築中であれば売却するマンションの退去時期を購入したマンションの完成後まで延ばす必要があります。
たとえば、中古マンションの購入を希望する方が、そのタイミングにあわせることができるかどうかの調整が必要なのです。
住宅ローンの支払ができないため
残念なケースですが、住宅ローンの支払ができないために売却せざるを得ない場合もあります。世帯主の失業や病気、出向による収入ダウンなど原因はさまざまです。
このような場合、売却額で住宅ローンの残高が完済できればよいのですが、売却額だけでは完済ができない場合に「預貯金を加える」「生命保険を解約する」「親から借りる」などの対策が必要になります。場合によっては、任意売却*や自己破産という選択をしなければならないときもあるのです。
*…債務者・債権者・第三者(物件を買う者)で話し合い、合意した価格で第三者に売却することであり、債務者が費用を負担せずにすみます。
相続の場合には相続税にも注意
相続により不動産を手に入れたものの、そのまま売却してしまうほうが都合のよい場合があります。たとえば、親の不動産を複数の子どもで共同相続した場合、遺産を分割するためには売却して現金化したほうがわけやすいのです。また、相続した者が1人であっても、既に家を持っていたり、職場などの生活エリアから離れていたりすると現金化したほうが便利でしょう。
なお、相続した場合、基礎控除額「3,000万円+(相続人数×600万円)」を超えると相続税が課せられるので相続税対策が必要になります。
不動産売却の代表的な理由とその対策を記載しました。それぞれに応じて優先しなければならない考え方があるのです。