不動産の売却を考えている方が、いつ売れば一番得になるのかを考えるのは当然のことでしょう。たとえば、転勤のために引っ越しの時期が決まっていればともかく、投資や相続などで手にした物件であれば売却の時期を選びたいものです。
過去に学ぶ
1980年代から1990年代初期のバブル景気を振り返ると、このような神話がありました。「土地の価格は下がらない。かりに下がったとしても待っていれば必ず上がる…」
今聞くと笑ってしまうような話ですが、多くの方がそう信じていました。そのためバブル崩壊と共にはじけてしまった方が多かったのです。
東京オリンピックに向けて、しばらくは景気がよいといわれています。しかし、オリンピックをピークだと考えるなら、今頃が売り時になるのではないでしょうか?
なぜなら、過去のバブル期に損失をおさえることができたのは、バブルがはじける前に不動産を売却した方々です。まだ、時間があるようにも思えますが、オリンピックを理由に値上がりの時期が速まっているのかもしれません。つまり、オリンピックの時には、既に価格が下がっているかもしれないのです。下がりだしたと実感するころには既に手遅れともいえます。
不安定な時代
今は中国の資産家が中華バブルにより、日本の土地を買っていることも価格を上昇させている一因です。この傾向もいつまでも続かないでしょう。
さらに、アメリカの大統領交代による不安定要素も重なるとすれば、今が大きな変革のときであることは間違いありません。良くなるか悪くなるかは別にして…
もし「今売りたい不動産があるけれど、いつ売るのが有利なのかな?」と考えている方であれば、今が売り時かもしれません。
少なくとも、現状は不動産が動いています。売りに出せば、条件のよいものであればすぐに売れるような状況です。今、売りに出すことで損をしたという実感はないでしょう。得をしようと思えばそれだけリスクを背負う可能性があります。
そもそも不動産を投資として考えるなら、ローリスク・ミドルリターンな商品といえるのです。そのミドルリターンにハイリターンを求めるとローリスクもハイリスクという危険な状況に近づくことになるのではないでしょうか?