不動産投資を始めるとき、まず考えるのが「どのような物件に投資すればよいのか?」ということでしょう。つまり、周辺の環境や立地、間取りなどが同じであれば、「新築」と「中古」のどちらが有利なのかということの判断が必要です。
一般的に新築物件よりも中古物件のほうの利回りが高いといわれます。なぜなら、投資利回りの計算式を記載しますと、「利回り=(年間家賃収入額-諸経費)/物件価格×100」となるからです。
つまり、中古物件は新築物件よりも価格が安いため、分母である「物件価格」が下がれば、当然、利回りが増えるということになります。投資効率のよい中古物件であれば新築物件の2倍くらいの利回りになるものもあるのです。
利回りがよいということは、投資初期より多くの利益を得ることができます。なんとなく、利回りのよい中古物件のほうがお得なような気がしてきました。しかし、中古物件には特有のリスクがあるのです。
中古物件の持つリスク
中古物件は新築物件に比べて家賃収入の得られる期間も少なくなり、物件自体の老朽化も進んでいるため、メンテナンス費用もかさみます。また、昭和56年の新耐震基準より前の物件については耐震についても心配です。さらに、原価償却済みの物件であれば経費としての節税効果も期待できません。
そもそも、中古物件には競売物件などの資金繰りの難しい物件も多く、頭金など多額の自己資金が必要になるケースがあります。購入できたとしても、1棟のマンションのなかに暴力団の関係者が入居していたりすると、それだけで1棟すべての資産価値が下がることも心配です。
管理面を調査するにも、ひとつの会社が1棟の全室を賃貸管理していればよいのですが、複数の会社が1室ごとに賃貸管理しているケースであれば煩雑な作業となるでしょう。
つまり、利回りのよい中古物件を探すためには、知識や経験にもとづいた物件を見抜く「目」が必要なのです。どうやら、中古物件の良し悪しを判断する能力を身につけるよりも、優良物件の情報を提供できる信頼のおけるパートナーを探すほうが早そうですね。