友人が、よく愚痴をこぼします。「ひとり暮らしの親父が亡くなって家を相続した。周りからは、うらやましいと言われるのですが、そんなことはありません。売却すれば譲渡所得税をどっさり課されるし、持っていれば固定資産税もばかにならない。そのまま放置しておくと周囲から苦情が来るし・・・。」
いつも、このような愚痴を延々と聞かされていました。
確かに空き家の放置は劣化の進行も早く、町並みの見た目も悪くなります。空き家の増加は周囲の住民に対しても悪影響を及ぼすでしょう。対策として、政府は固定資産税について、空き家を「特定空き家」と市町村が認定すると、固定資産税等の住宅用地特例の対象から除外され通常の6倍の固定資産税にするという施策を講じています。友人が愚痴るはずです。
でも、「捨てる神あれば拾う神あり」と言います。
譲渡価格からの控除額に法改正あり
法律改正により解決の糸口が見いだせたそうです。固定資産税については厳しい施策が講じられたのですが、前向きに売却しやすくなる施策も講じられました。具体的には、譲渡価格からの控除額を一定の空き家にも適用してくれるのです。
譲渡価格から税金を計算するとき、今までなら居住用の土地・建物については、特別控除が適用されたのです。つまり、居住用財産であれば譲渡価格から特別控除(3,000万円)が差引かれた残りの額に税率がかけられたのですが、空き家の場合、特別控除は対象外でした。
これが、友人が「税金をどっさり課される」と言っていた理由です。
しかし、法改正のおかげで、空き家の場合でも譲渡価格から特別控除(3,000万円)が差引かれることになりました。
特別控除の対象になる空き家の要件(全て満たさなくてはなりません)
・相続開始の直前、被相続人のみが居住していた家屋であり、昭和56年5月31日以前に建築されたもので、相続または遺贈により取得した。
・相続開始の日から3年経過する日の属する年の12月31日までに譲渡した。
・対価が1億円以下である。
・「譲渡する時に所定の耐震基準を満たした家屋の譲渡か、その家屋と敷地の譲渡」であるか「家屋取り壊し後の敷地の譲渡」のどちらかである。
・相続時から譲渡時まで、家屋や敷地が事業・貸付・居住の用に供されていない。
友人の相続した空き家が、上記の要件に該当していることを祈ります。