賃貸マンションやアパート経営で黒字が出ているときは、基本的に確定申告書を提出し所得税を納付しなければなりません。
不動産所得が赤字の場合の取扱い
不動産所得は、総収入金額-必要経費の算式で計算します。つまり、必要経費が総収入金額を上回った場合は、不動産所得はマイナス、つまり赤字ということになります。その赤字の金額は、給与所得や事業所得などと通算することができます。これを損益通算と呼びます。
ただし、以下の費用は損益通算ができる経費の中には含まれません。
・別荘やリゾートマンションなど、生活と直接関係のない、趣味・芸術・鑑賞・保養のために利用される不動産の貸付に係る経費
・賃貸マンション・アパートの敷地に供される土地の取得に伴い生じた債務の利子
賃貸マンション・アパートのメンテナンスにかかった経費
原則として、支出した年分の必要経費に算入します。ただし、以下のケースでは、資本的支出(建物の価値や耐用年数を延ばす支出)として、建物の取得価額の一部にカウントされ、税法が定めた使用可能期間において均等に減価償却費を計上することとされています。
・建物のフローリングが老朽化し、張り替える場合において、安い合板から無垢のウオールナットに交換した
・建物に今までなかった車寄せの雨除けをつけた、非常階段を新設した
・住宅用として貸していた居室を賃貸オフィスに模様替えした
・床暖房のコントロールパネルを新規タイプに交換、温まるまでの時間が大幅に短縮した
ただし、だいたい3年以内のサイクルで行われる定期的な点検・修繕、その金額が20万円以内の修理は必要経費として取り扱われます。
それでは高機能のガス湯沸かし器に交換したような場合でも、今までの型が既に廃盤になっていたときのように修繕なのか資本的支出なのか判別の難しいときにはどのように取り扱われるでしょうか?そんなときは、その金額が60万円以下の時または建物の取得価額の10%以下である場合は、その金額はその年分の必要経費に算入できます。