総収入金額に含まれる収入
賃貸契約やその更新契約では、名義書換料・承諾料・更新料・礼金・保証金などを受領する場合がありますが、受領した金額はすべて総収入金額として取り扱われます。ただし、敷金その他、契約解除の際に返還を要するものは総収入金額に含まれません。
毎月、家賃の支払いと合わせて、電気・ガス・水道などの共益費を受領する場合がありますが、これらも総収入金額とみなされます。
必要経費に含まれる費用
必要経費の算定に当たっては、家事上の経費と減価償却費に注意が必要です。
家事上の経費
賃貸マンション・アパート経営に要した費用は、家事上の経費と明確に区分できるものに限り必要経費に算入できることとされています。家事上の経費が問題となるのは、以下のケースです。
・賃貸マンション・アパート内に本人も居住している場合は、共用部分の水道光熱費・修繕費といった経費を床面積等によって按分します。
・自宅の一室を不動産業の専用オフィスとして占有していれば、床面積等按分によって自宅にかかる費用の一部を必要経費に算入できます。ただしリビングなどと共用している場合は、認められません。パソコン・携帯なども同様の考え方で、プライベートと共用している場合は認められません。
減価償却費
建物の取得に要した金額は、その取得した年の必要経費に算入するのではなく、国税庁が定める法定耐用年数の期間内に分割して、各年の必要経費に算入します。法定耐用年数は、国税庁のホームページで閲覧できます。この年数は建物の構造や用途によっても異なり、同じマンション・アパートでも、鉄筋コンクリートの場合は47年、木造の場合は22年、モルタルづくりの場合は20年とされています。
気を付けなければならないのは、例えばワンルームマンションを購入した金額の全てが減価償却の対象とはならない点です。購入時の売買契約書をよく見ると、「売却代金1500万円、うち土地部分300万円、建物部分1200万円」などと記載されているはずです。このうち減価償却の対象となるのは1200万円の部分だけです。