マンションは、建築基準法及び消防法によって、地震や火災に対する防止機能と、いざ被災した時の安全確保が義務付けられています。法規制は高さによって異なり、60mを超えるいわゆるタワーマンションに対してはより厳しい規制が課せられています。
建築基準法の規制
建築基準法では、地震や火災に対する安全性を確保するために、高さ60m以上の建物に対して、建物構造に加えその敷地、周辺環境に関する基準を定めています。
建築物の強度
時刻歴応答解析といって、コンピューターシミュレーションに基づき、地震波により建物がどのように揺れるかを確認し、地震に対する安全性を証明したうえで国土交通大臣の認証を得なければなりません。また、震度6から7の地震に対しては、例えば高さ200mの建物なら揺れは2m(1/100に相当する)以内に収めることを求めています。これを層間変形と呼びます。
共有ユーティリティーの安全性
エレベーターに対しては、震度別に安全性の基準が定められています
(震度4以下)自動的に近くの階で停止し、乗客が避難できるように設計されていること(避難に関する法令の基準なし)
(震度5)エレベーターが直ちに停止すること
(震度6から7)地震が起きてもエレベーターのカゴが脱落しないこと
エレベーター以外の設備に対しては、層間変形が1/100以内に場合は損傷・脱落しない強度を有することが求められています。
消防法の規制
消防法においては、いざ火災が起きたときの安全性確保が義務付けられています。とくにタワーマンションは上層階にはしご車が届かないこともあり、その規制はより厳しくなっています。
高さ31m以上の建物
・消防隊員が迅速に現場に駆け付けられるよう、非常用エレベーターの設置が義務付けられています。
・絨毯やカーテンに対しては、火災拡大防止のため難燃性物品の使用が義務付けられています。
高さ100m以上の建物
屋上にヘリコプターの緊急着陸場所の設置を義務付けています。