地質調査によると、縄文時代・弥生時代のころから、日本では多くの巨大地震(マグニチュード7.0以上、震度6弱以上)に見舞われてきました。紀元前4-3世紀には、マグニチュード9.0以上の超巨大地震が発生したともいわれています。
日本の国土は、北米プレート・ユーラシアプレート・フィリピン海プレート・太平洋プレートが重なり合い、プレートの境界線上では数々の断層が生じています。そうした断層ではひずみが蓄積し、地震が起きやすくなっているのです。
地震が多い国の家づくり
一方でお隣の韓国は、太平洋プレートの内側に位置するためほとんど地震が起きないと言われています(2016年にマグニチュード5.8の地震が慶州で起こり、かなり話題になりました)。こうしたお国では、家を作る際にあまり自身のことは意識しません。
逆に日本の場合、戸建てやマンションを建築するのに地震対策は欠かせません。ポイントになるのは、耐震性・制震性・免震性です。この3つは混同されがちですが、それぞれの機能やコストは大きく異なります。
耐震性
建物を地盤にしっかり固定するために、柱・梁・筋交いや耐力壁といった構造を強化します。大きな揺れが生じたときは柱や梁の一部を損傷させ、建物倒壊を防ぎます。制御や免震にくらべて最もコストを抑えられるのがメリットで、多くの戸建てやマンションで採用されています。一方で、あくまで建物の崩壊を防止するのが耐震性の目的であり、揺れ自体を防ぐことはできません。
制震性
建物内部に組み入れたダンパーと呼ばれる衝撃吸収装置により地震のエネルギーを減衰させます。建物の揺れを防ぐと同時に、建物へのダメージを抑えることができます。マンションでの普及が進んでいましたが、最近は戸建てでも活用されています。
免震性
建物の基礎自体に可動体(アイソレーターやダンパー)を組み込み、地盤と建物を切り離すことにより、地震のエネルギーをシャットアウトします。最も効果が高いですが、コストも嵩むためあまり普及はしていません。